学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0571

理由で解く 解剖学

Q0571 神経系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題31
問題
脳神経と支配部位との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 滑車神経 - 外眼筋
2 三叉神経 - 咀嚼筋
3 顔面神経 - 顔面の皮膚
4 迷走神経 - 声帯筋
解答
正解3(顔面神経 - 顔面の皮膚)
解説
✗ 1.
滑車神経 - 外眼筋
✗ 正しい。 滑車神経(IV)は外眼筋の1つである上斜筋を支配するため、組合せとして正しい。上斜筋は眼球を外下方に向ける働きを持ち、階段を下りる際の視線調整に重要な役割を果たす。
✗ 2.
三叉神経 - 咀嚼筋
✗ 正しい。 三叉神経(V)第3枝の下顎神経に合流する運動根が咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)を支配するため、組合せは正しい。感覚性の強い三叉神経のなかで運動性は下顎神経にのみ含まれる。
✓ 3. 誤り
顔面神経 - 顔面の皮膚
顔面神経(VII)は顔面の「表情筋」運動・舌前2/3の味覚・涙腺および顎下腺・舌下腺への副交感支配を担うが、「皮膚感覚」は担当しない。顔面の皮膚感覚を伝えるのは三叉神経(V)であり、V1眼神経が眼裂より上方(前額・鼻背・上眼瞼)、V2上顎神経が眼裂と口裂の間(頬部・上口唇・鼻翼)、V3下顎神経が口裂より下方(下顎・下口唇・耳前方の一部)の皮膚感覚を分担する。したがって「顔面神経が顔面の皮膚を支配する」は誤りであり、これが本問の解答となる。顔面神経は「顔の筋肉を動かす神経」、三叉神経は「顔の感覚を伝える神経」と役割分担を整理しておくこと。
✗ 4.
迷走神経 - 声帯筋
✗ 正しい。 迷走神経(X)の分枝である反回神経が喉頭筋(輪状甲状筋を除く声帯筋・後輪状披裂筋など)を支配する。右反回神経は鎖骨下動脈、左反回神経は大動脈弓の下をくぐって反転上行し声帯運動を司るため、組合せは正しい。
ポイント
  • 顔面神経は表情筋運動・舌前2/3味覚・涙液/唾液分泌(副交感)を担うが、顔面皮膚感覚は三叉神経の担当である。両者の役割分担(運動=VII/感覚=V)を区別する。
  • 覚え方のコツ: 「顔を動かす=7(VII)/顔で感じる=5(V)」と番号と機能をリンクさせる。味覚だけは例外で舌前2/3=VII、舌後1/3=IX。
  • 関連知識: 三叉神経の皮膚知覚分布は「眉より上=V1/眉〜口の間=V2/口より下=V3」と上中下の3段に分かれ、帯状疱疹や三叉神経痛の責任領域の同定に使える。
  • よくある間違い: 「顔面神経」という名称から顔面全体を支配すると誤解しやすい。顔面の感覚はあくまで三叉神経、顔面神経は運動と味覚・腺分泌に限定。
  • 臨床応用: 顔面神経麻痺(Bell麻痺)では表情筋の一側麻痺・閉眼不全(兎眼)・味覚障害が生じるが皮膚感覚は保たれる。三叉神経麻痺ではその逆となる。
比較表
脳神経 感覚 運動 副交感
V 三叉神経 顔面皮膚・粘膜・歯・舌の感覚 咀嚼筋 なし
VII 顔面神経 舌前2/3味覚 表情筋 涙腺・顎下腺・舌下腺
IX 舌咽神経 舌後1/3味覚・咽頭感覚 咽頭筋 耳下腺
X 迷走神経 外耳・咽頭感覚 喉頭筋(反回神経) 胸腹部内臓
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題31|脳神経と支配部位との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題31|脳神経と支配部位との組合せで誤っているのはどれか。
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