学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0572

理由で解く 解剖学

Q0572 神経系

出典:あマ指 第4回(1996) 問題31
問題
脳神経とその支配との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 三叉神経 - 歯の痛覚
2 顔面神経 - 舌の運動
3 舌咽神経 - 舌尖の味覚
4 舌下神経 - 舌の痛覚
解答
正解1(三叉神経 - 歯の痛覚)
解説
✓ 1. 正しい
三叉神経 - 歯の痛覚
三叉神経(V)は顔面・口腔の感覚を広く担う脳神経で、歯の痛覚(歯髄感覚)もここに含まれる。上顎の歯は第2枝の上顎神経(V2)に含まれる上歯槽神経が、下顎の歯は第3枝の下顎神経(V3)の分枝である下歯槽神経(下顎管を通り、オトガイ孔から下口唇・オトガイ皮膚へ出る)が支配する。歯科治療の局所麻酔(伝達麻酔)は、これら三叉神経分枝の走行を標的として行われる臨床応用の代表例で、上顎は歯槽骨への浸潤麻酔が、下顎は下歯槽神経ブロックが用いられる。歯の感覚(温度・圧・痛)は鋭敏で、三叉神経の侵害受容機構が高度に発達している領域の1つである。
✗ 2. 誤り
顔面神経 - 舌の運動
舌の運動を司るのは舌下神経(XII)である。顔面神経(VII)は鼓索神経を介して舌前2/3の「味覚」を担うが、舌そのものを動かす運動には関与しない。味覚と舌運動を混同しやすい典型例である。
✗ 3. 誤り
舌咽神経 - 舌尖の味覚
舌尖を含む舌前2/3の味覚は顔面神経(VII)の鼓索神経が担当する。舌咽神経(IX)は舌後1/3の味覚と一般感覚を司るため、「舌尖=舌咽」は前後が逆。境界は分界溝で、前2/3がVII、後1/3がIXである。
✗ 4. 誤り
舌下神経 - 舌の痛覚
舌下神経(XII)は純運動性神経で舌内筋・外舌筋の運動を担い、感覚(痛覚・温度覚)は担当しない。舌の一般感覚(痛覚を含む)は、前2/3が三叉神経V3下顎神経の舌神経、後1/3が舌咽神経である。
ポイント
  • 歯の痛覚は三叉神経が担当。上歯=V2(上顎神経)、下歯=V3(下顎神経の下歯槽神経)。舌の感覚は前2/3一般感覚=V3舌神経、前2/3味覚=VII鼓索神経、後1/3感覚+味覚=IX舌咽神経、運動=XII舌下神経と4神経が関与する。
  • 覚え方のコツ: 舌を「前2/3/後1/3」で区切り、さらに「感覚/味覚/運動」の3要素で4神経(V3・VII・IX・XII)の棲み分けを表にまとめて整理する。
  • 関連知識: 鼓索神経は顔面神経管内で顔面神経から分岐し、下顎神経の枝である舌神経と合流して舌前2/3の味覚と顎下腺・舌下腺の副交感線維を運ぶ。
  • よくある間違い: 「舌下神経が舌の感覚も担う」と誤解しやすい。舌下は純運動のみ。舌神経(V3の枝)と舌下神経は別物で、前者が感覚、後者が運動である点に注意。
  • 臨床応用: 下歯槽神経麻酔は下顎智歯抜歯の基本手技。施術後にオトガイ部の感覚麻痺が続くことがあり、これは下歯槽神経の走行(下顎管~オトガイ孔)上での損傷を示唆する。
比較表
舌の領域 一般感覚 味覚 運動
前2/3 V3 下顎神経(舌神経) VII 顔面神経(鼓索神経) XII 舌下神経
後1/3 IX 舌咽神経 IX 舌咽神経 XII 舌下神経
舌根部(一部) X 迷走神経 X 迷走神経 XII 舌下神経
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題31|脳神経とその支配との組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題31|脳神経とその支配との組合せで正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手