学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0916

理由で解く 解剖学

Q0916 運動器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題18
問題
上腕の内旋運動に対する大胸筋の拮抗筋はどれか。
選択肢
1 小胸筋
2 大円筋
3 棘下筋
4 肩甲下筋
解答
正解3(棘下筋)
解説
✗ 1. 誤り
小胸筋
小胸筋は第2〜5肋骨から起こり肩甲骨烏口突起に停止する。肩甲骨を前下方に引く(肩甲骨の運動)筋で、上腕骨には停止しないため肩関節の内旋・外旋には関与しない。大胸筋の拮抗筋にはなり得ない。
✗ 2. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角から起こり上腕骨小結節稜に停止し、肩関節の内旋・内転に働く。大胸筋と同じ内旋作用を持つ「協同筋」であり、拮抗筋ではない。
✓ 3. 正しい
棘下筋
棘下筋は肩甲骨棘下窩から起こり上腕骨大結節に停止し、肩関節の外旋に働く。大胸筋は上腕骨大結節稜につき内旋に働くため、外旋作用をもつ棘下筋はその拮抗筋となる。棘下筋は小円筋とともに回旋筋腱板の後面を構成し、肩関節を後方から補強している。肩甲上神経に支配される。
✗ 4. 誤り
肩甲下筋
肩甲下筋は肩甲下窩から起こり上腕骨小結節に停止し、肩関節の「内旋」に働く。大胸筋と同じ内旋作用の協同筋であり、拮抗筋ではない。回旋筋腱板の前面を構成する。
ポイント
  • 大胸筋(内旋)の拮抗筋は外旋筋である棘下筋・小円筋である。内旋筋には大胸筋・広背筋・肩甲下筋・大円筋、外旋筋には棘下筋・小円筋がある。
  • 覚え方のコツ: 「内旋は前面の筋(胸・腹側)、外旋は後面の筋(背側)」。肩甲骨の前面から起こる肩甲下筋は内旋、後面から起こる棘下筋・小円筋は外旋と、起始面で方向を決める。
  • 関連知識: 回旋筋腱板の4筋(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)のうち、肩甲下筋だけが内旋、残り3筋のうち棘下筋・小円筋が外旋、棘上筋が外転を担う。
  • よくある間違い: 大円筋と小円筋の作用を逆に覚える(大円筋は内旋、小円筋は外旋)/肩甲下筋と棘下筋の作用を混同する。
  • 臨床応用: 棘下筋の腱は回旋筋腱板損傷の好発部位で、肩関節の外旋力低下と夜間痛を呈する。投球動作の繰り返しで損傷されやすい。
比較表
作用 内旋筋(大胸筋と協同) 外旋筋(大胸筋の拮抗筋)
主要筋 大胸筋、広背筋、肩甲下筋、大円筋 棘下筋、小円筋
停止 大結節稜または小結節 大結節(後面)
回旋筋腱板 肩甲下筋(前) 棘下筋・小円筋(後)
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題18|上腕の内旋運動に対する大胸筋の拮抗筋はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題18|上腕の内旋運動に対する大胸筋の拮抗筋はどれか。
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