学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ N. 下肢の運動 / Q1024

理由で解く 解剖学

Q1024 運動器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題19
問題
股関節の運動とそれに働く筋との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 屈曲 ― 大腿二頭筋
2 伸展 ― 半膜様筋
3 内旋 ― 縫工筋
4 外旋 ― 大腿筋膜張筋
解答
正解2(伸展 ― 半膜様筋)
解説
✗ 1. 誤り
屈曲 ― 大腿二頭筋
大腿二頭筋はハムストリングスの一員で、長頭は股関節伸展と膝関節屈曲・外旋、短頭は膝関節屈曲・外旋を担う。股関節屈曲筋ではない(屈曲は腸腰筋が主)。
✓ 2. 正しい
伸展 ― 半膜様筋
半膜様筋は坐骨結節から起こり、脛骨内側顆後部に停止するハムストリングスの一つで、坐骨神経(脛骨神経部)支配。股関節の伸展と膝関節の屈曲・内旋を行う2関節筋である。股関節伸展の主動筋は大殿筋だが、ハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)もそれに協力する伸展筋として働く。特に歩行・走行・立ち上がり動作で大殿筋と協調して股関節を伸展し、体幹を直立位に保つ。ハムストリングスが麻痺すると股関節伸展位を維持できず体幹が前屈して転倒する。
✗ 3. 誤り
内旋 ― 縫工筋
縫工筋は股関節を外旋する(屈曲・外転・外旋で膝関節を屈曲・内旋)。あぐら姿勢をつくる筋で、股関節内旋筋ではない。内旋は中殿筋前部・小殿筋・大腿筋膜張筋が担う。
✗ 4. 誤り
外旋 ― 大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋は股関節の屈曲・外転・内旋を行い、膝関節伸展を補助する。上殿神経支配で、外旋筋ではない。
ポイント
  • ハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)は股関節伸展と膝関節屈曲の両方に働く2関節筋。
  • 覚え方のコツ: 「縫工筋=外旋・外転・屈曲」「大腿筋膜張筋=内旋・外転・屈曲」と紛らわしい2筋の回旋方向を対比。
  • 関連知識: 股関節内旋を専門に行う筋はなく、中・小殿筋の前部線維と大腿筋膜張筋が関与。外旋は専用の外旋6筋(梨状筋・内閉鎖筋・上下双子筋・外閉鎖筋・大腿方形筋)がある。
  • よくある間違い: 大腿二頭筋を股関節屈曲筋と誤認(正解は伸展)/縫工筋を内旋筋と誤認。
  • 臨床応用: ハムストリングスの肉離れはスポーツ外傷で頻発。股関節伸展位で膝を強く伸ばそうとする動作で損傷しやすい。
比較表
運動 主動筋 協力筋
屈曲 腸腰筋 大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋
伸展 大殿筋 ハムストリングス(半膜様筋など)
内転 内転筋群(長・短・大内転筋) 薄筋、恥骨筋
外転 中殿筋、小殿筋 大腿筋膜張筋
内旋 中殿筋前部、小殿筋、大腿筋膜張筋
外旋 外旋6筋 縫工筋、大殿筋
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題19|股関節の運動とそれに働く筋との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題19|股関節の運動とそれに働く筋との組合せで正しいのはどれか。
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