学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0917

理由で解く 解剖学

Q0917 運動器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題18
問題
筋とその付着部との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 三角筋 ― 肩甲棘
2 円回内筋 ― 外側上顆
3 大殿筋 ― 大転子
4 後脛骨筋 ― 踵骨突起
解答
正解1(三角筋 ― 肩甲棘)
解説
✓ 1. 正しい
三角筋 ― 肩甲棘
三角筋は鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘の3箇所から起こり、上腕骨三角筋粗面に停止する。起始部の違いにより前部(鎖骨部)=屈曲、中部(肩峰部)=外転、後部(肩甲棘部)=伸展と作用を使い分ける。腋窩神経に支配され、肩の丸みを形づくる代表的な筋である。
✗ 2. 誤り
円回内筋 ― 外側上顆
円回内筋は上腕骨「内側上顆」と尺骨鉤状突起から起こり、橈骨中央外側面(円回内筋粗面)に停止する。外側上顆から起こるのは前腕伸筋群(長橈側手根伸筋以外:短橈側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋など)であり、内外の上顆を混同してはならない。
✗ 3. 誤り
大殿筋 ― 大転子
大殿筋は腸骨翼後面・仙骨後面・仙結節靭帯から起こり、大腿骨の「殿筋粗面」と腸脛靭帯に停止する。大転子に停止するのは中・小殿筋、外閉鎖筋、梨状筋、内閉鎖筋などで、大殿筋は停止しない。
✗ 4. 誤り
後脛骨筋 ― 踵骨突起
後脛骨筋は下腿骨間膜・脛骨後面・腓骨後面から起こり、「舟状骨粗面」および内側・中間・外側楔状骨・立方骨・第2〜4中足骨底に停止する。踵骨隆起に停止するのは下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)のアキレス腱である。
ポイント
  • 三角筋は鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘の3箇所から起こり上腕骨三角筋粗面に停止。内側上顆が起始の筋と外側上顆が起始の筋を混同しない。
  • 覚え方のコツ: 内側上顆=屈筋+回内筋(円回内・橈側手根屈・長掌・浅指屈・尺側手根屈)、外側上顆=伸筋+回外筋(短橈側手根伸・総指伸・小指伸・尺側手根伸・回外筋)。「内屈外伸(ないくつがいしん)」で覚える。
  • 関連知識: 三角筋は腋窩神経支配で、上腕骨外科頸骨折や肩関節脱臼で麻痺するとピンホール帽(肩の丸み消失)となる。後脛骨筋はPTT(posterior tibial tendon)として内反・底屈に働く。
  • よくある間違い: 三角筋の起始を肩峰のみと覚える/円回内筋を外側上顆起始と取り違える/大殿筋の停止を大転子と誤る。
  • 臨床応用: 三角筋は筋肉内注射の部位として用いられるが、後部では腋窩神経損傷のリスクがあり、肩峰外側3横指下が安全域。
比較表
起始 停止
三角筋 鎖骨外側1/3、肩峰、肩甲棘 上腕骨三角筋粗面
円回内筋 内側上顆、尺骨鉤状突起 橈骨円回内筋粗面
大殿筋 腸骨翼後面、仙骨、仙結節靭帯 大腿骨殿筋粗面、腸脛靭帯
後脛骨筋 下腿骨間膜、脛骨・腓骨後面 舟状骨粗面、楔状骨、立方骨、中足骨底
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題18|筋とその付着部との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題18|筋とその付着部との組合せで正しいのはどれか。
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