学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0910

理由で解く 解剖学

Q0910 運動器系

出典:あマ指 第16回(2008) 問題21
問題
上腕二頭筋について正しい記述はどれか。
選択肢
1 長頭は肩甲骨の関節下結節に起こる。
2 短頭は肩甲骨の肩峰に起こる。
3 橈骨粗面に停止する。
4 尺骨神経に支配される。
解答
正解3(橈骨粗面に停止する。)
解説
✗ 1. 誤り
長頭は肩甲骨の関節下結節に起こる。
上腕二頭筋長頭は肩甲骨の「関節上結節」(関節窩の上縁)から起こり、結節間溝を通って上腕を下行する。関節下結節(関節窩の下縁)から起こるのは上腕三頭筋長頭である。
✗ 2. 誤り
短頭は肩甲骨の肩峰に起こる。
短頭は肩甲骨の「烏口突起」に起始する。肩峰は肩甲棘の外側端で肩関節の頂点をなし、鎖骨と肩鎖関節をつくる部位であって、上腕二頭筋は付着しない。
✓ 3. 正しい
橈骨粗面に停止する。
上腕二頭筋は長頭(肩甲骨関節上結節起始)と短頭(烏口突起起始)の2頭からなり、上腕前面を下行して合流し、肘窩部で橈骨粗面に停止する。一部は上腕二頭筋腱膜として前腕筋膜へ放散する。主な作用は肘関節の屈曲に加え、停止部が橈骨にあるため回外運動の主動筋となる(ネジを回す動き)。支配神経は筋皮神経(C5・C6)で、屈筋支配の典型筋である。
✗ 4. 誤り
尺骨神経に支配される。
上腕二頭筋は筋皮神経支配である。尺骨神経は前腕尺側屈筋群(尺側手根屈筋・深指屈筋尺側半)や手内在筋の多くを支配し、上腕二頭筋には関与しない。
ポイント
  • 上腕二頭筋は長頭(関節上結節)+短頭(烏口突起)で起始し、橈骨粗面に停止、筋皮神経支配。
  • 覚え方のコツ: 「上は上、下は下」。長頭は関節「上」結節=上腕二頭筋、関節「下」結節=上腕三頭筋長頭。起始を結節の上下でペアリング。
  • 関連知識: 作用は肘屈曲+前腕回外。腱反射は「上腕二頭筋反射(C5・C6)」として臨床で多用される。長頭腱は関節腔内を通る唯一の腱。
  • よくある間違い: 短頭の起始を「肩峰」と誤る/支配神経を尺骨・正中と混同する。短頭は「烏口突起」、神経は筋皮神経。
  • 臨床応用: 上腕二頭筋長頭腱は結節間溝で摩擦を受け、長頭腱炎・断裂(ポパイ徴候)の好発部位。C5・C6障害で上腕二頭筋反射低下・筋力低下が起こる。
比較表
起始 停止 支配神経
長頭 肩甲骨 関節上結節 橈骨粗面(共通) 筋皮神経(C5・C6)
短頭 肩甲骨 烏口突起 橈骨粗面(共通) 筋皮神経(C5・C6)
主な作用 肘関節屈曲・前腕回外
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題21|上腕二頭筋について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題21|上腕二頭筋について正しい記述はどれか。
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