学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0909

理由で解く 解剖学

Q0909 運動器系

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題17
問題
上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 大円筋---肩関節の外転
2 長掌筋---橈骨手根関節の伸展
3 浅指屈筋---遠位指節間関節の屈曲
4 腕橈骨筋---肘関節の屈曲
解答
正解4(腕橈骨筋---肘関節の屈曲)
解説
✗ 1. 誤り
大円筋---肩関節の外転
大円筋は肩甲骨下角から起こって上腕骨の小結節稜に停止し、肩関節の内転・内旋を行う。支配神経は肩甲下神経。外転を行うのは三角筋中部線維と棘上筋。
✗ 2. 誤り
長掌筋---橈骨手根関節の伸展
長掌筋は上腕骨内側上顆から起こり手掌腱膜に停止する前腕屈筋浅層の筋で、手関節の「屈曲」を補助する。伸展ではない。正中神経支配で、欠損する例もある小さい筋。
✗ 3. 誤り
浅指屈筋---遠位指節間関節の屈曲
浅指屈筋は第2〜5指の「中節骨底」に停止するため、MP関節と近位指節間関節(PIP関節)を屈曲する。遠位指節間関節(DIP関節)を屈曲するのは末節骨底に付く深指屈筋。
✓ 4. 正しい
腕橈骨筋---肘関節の屈曲
腕橈骨筋は上腕骨下部外側縁から起こって橈骨茎状突起に停止する前腕後面の浅層筋で、前腕が半回内位(親指上向き)のときに肘を屈曲する主力となる。橈骨神経支配で、伸筋でありながら屈曲作用をもつ特殊な筋。
ポイント
  • 腕橈骨筋は橈骨神経支配の伸筋群に属するが、作用は肘関節屈曲であり、前腕半回内位で最も力が出る。
  • 覚え方のコツ: 「橈骨神経支配で屈曲するのは腕橈骨筋だけ」と特別扱いで暗記。
  • 関連知識: 肘屈筋は上腕筋(主力)+上腕二頭筋(回外位で強い)+腕橈骨筋(半回内位で強い)の3筋。
  • よくある間違い: 浅指屈筋でDIP屈曲、長掌筋で手関節伸展と誤答する。停止部(中節骨か末節骨か)と筋の走行を確認する。
  • 臨床応用: 橈骨神経麻痺(下垂手)では腕橈骨筋も麻痺するが、上腕筋・上腕二頭筋(筋皮神経支配)が残るため肘屈曲自体は保たれる。
比較表
主な作用 支配神経
大円筋 肩関節の内転・内旋 肩甲下神経
長掌筋 手関節の屈曲 正中神経
浅指屈筋 第2〜5指MP・PIP関節の屈曲 正中神経
深指屈筋 第2〜5指MP・PIP・DIP関節の屈曲 正中神経・尺骨神経
腕橈骨筋 肘関節の屈曲 橈骨神経
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題17|上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題17|上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。
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