学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ I. 体幹の局所解剖・脈管・神経 / Q0908

理由で解く 解剖学

Q0908 運動器系

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題17
問題
骨盤隔膜の主体をなすのはどれか。
選択肢
1 内閉鎖筋
2 肛門挙筋
3 深会陰横筋
4 外肛門括約筋
解答
正解2(肛門挙筋)
解説
✗ 1. 誤り
内閉鎖筋
内閉鎖筋は骨盤腔の側壁内面をおおう下肢の筋で、閉鎖孔の周囲から起こり小坐骨孔を通って大転子に停止し、股関節の外旋に働く。骨盤底を下から支える骨盤隔膜とは位置・機能ともに異なる。
✓ 2. 正しい
肛門挙筋
肛門挙筋は恥骨後面と内閉鎖筋の筋膜から幕状に起こり、肛門および肛門と尾骨を結ぶ正中線上の靭帯に終わる幅広い筋で、尾骨筋とともに骨盤下口の後方部(肛門三角)を閉ざす骨盤隔膜の主体をなす。骨盤臓器を下方から支持し、臓器の下垂を防ぐ重要な役割を担う。骨盤隔膜は肛門によって貫かれる。
✗ 3. 誤り
深会陰横筋
深会陰横筋は恥骨弓の下方に張る三角形の線維筋性板で、骨盤隔膜ではなく「尿生殖隔膜」の主体をなす。男性では尿道、女性では尿道と膣で貫かれる。
✗ 4. 誤り
外肛門括約筋
外肛門括約筋は肛門挙筋より下方にあり、肛門を輪状に取り囲んで随意的に括約作用を行う横紋筋である。骨盤隔膜そのものではなく、その下方で肛門を閉鎖する括約筋である。
ポイント
  • 骨盤隔膜の主体は肛門挙筋であり、これに尾骨筋が加わって骨盤下口の後部(肛門三角)を閉ざす。尿生殖隔膜の主体は深会陰横筋である。
  • 覚え方のコツ: 「骨盤隔膜=肛門挙筋+尾骨筋」「尿生殖隔膜=深会陰横筋」の2つの隔膜をセットで覚える。肛門挙筋は「肛門を挙げるくらい強い支持筋」と連想。
  • 関連知識: 骨盤隔膜は肛門により貫かれ、尿生殖隔膜は男性では尿道、女性では尿道と膣に貫かれる。両隔膜の中央には会陰腱中心があり、多くの会陰筋が集合する。
  • よくある間違い: 外肛門括約筋や深会陰横筋を骨盤隔膜の主体と誤る/内閉鎖筋を骨盤底筋と混同する。
  • 臨床応用: 分娩や加齢で肛門挙筋が脆弱化すると骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)や尿失禁が生じる。骨盤底筋体操(ケーゲル体操)は肛門挙筋の強化を目的とする。
比較表
隔膜 主体となる筋 部位 貫通する構造
骨盤隔膜(肛門三角) 肛門挙筋+尾骨筋 後方 肛門(直腸)
尿生殖隔膜(尿生殖三角) 深会陰横筋 前方 男:尿道/女:尿道・膣
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題17|骨盤隔膜の主体をなすのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題17|骨盤隔膜の主体をなすのはどれか。
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