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理由で解く 解剖学

Q0802 運動器系

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題16
問題
胸郭について正しいのはどれか。
選択肢
1 胸骨角は第 2肋骨と連結する。
2 頸切痕は胸骨体の上縁である。
3 仮肋は肋骨弓の構成に関与しない。
4 上大静脈は胸郭上口を通る。
解答
正解1(胸骨角は第 2肋骨と連結する。)
解説

胸郭を構成する骨のつながりを問う問題です。胸骨柄と胸骨体の境目にできる横の隆起が胸骨角で、ここに第2肋骨(第2肋軟骨)が付くため、肢1が正しい記述になります。

胸骨は上から胸骨柄・胸骨体・剣状突起の3部からなり、胸骨柄と胸骨体の接合部(胸骨柄結合)が前方へわずかに突出して胸骨角をつくります。体表から指で触れて確認でき、そこから水平に外側をたどると第2肋骨に行き当たるので、「何番目の肋骨か」を数えるときの出発点として臨床でも使われます。肋骨は、第1〜7肋骨が各自の肋軟骨で胸骨に直接つく真肋、第8〜12肋骨が胸骨に直接つかない仮肋に分けられます。このうち第8〜10肋骨の肋軟骨は上位の肋軟骨に連結し、第7〜10肋軟骨が連なって左右の肋骨弓(みぞおちの両脇に触れる弓状の縁)をつくります。第11・12肋骨は前端が遊離するため浮肋とよばれます。また胸郭上口は第1胸椎・左右の第1肋骨・胸骨柄上縁(頸切痕)で囲まれた入口で、ここを気管や食道、総頸動脈・鎖骨下動脈、内頸静脈・鎖骨下静脈(下方で合流して腕頭静脈となる)、横隔神経・迷走神経・交感神経幹・胸管などが通ります。胸郭の骨の名前と、それぞれがどの高さで何と連結するかをセットで覚えると、こうした問題は取りこぼしません。

✓ 1. 正しい
胸骨角は第 2肋骨と連結する。
胸骨角は胸骨柄と胸骨体の接合部にできる前方への隆起で、その高さで第2肋骨(第2肋軟骨)が胸骨と連結します。体表から触知できるため、肋骨や肋間を数えるときの基準点として用いられます。
✗ 2. 誤り
頸切痕は胸骨体の上縁である。
頸切痕(頸静脈切痕)は胸骨体ではなく、その上にある胸骨柄の上縁にあるくぼみです。胸骨体の上縁は胸骨柄と接して胸骨角をつくる部分なので、部位が一段下にずれています。「柄=いちばん上」「体=まん中」「剣状突起=いちばん下」と順に押さえ、胸骨柄に第1肋軟骨、胸骨角に第2肋軟骨が付くことまで結び付けておきましょう。
✗ 3. 誤り
仮肋は肋骨弓の構成に関与しない。
仮肋は第8〜12肋骨を指し、このうち第8〜10肋骨の肋軟骨は上位の肋軟骨に順に連結します。肋骨弓は第7〜10肋軟骨が連なってできる弓状の縁ですから、仮肋のうち第8〜10肋骨は肋骨弓の構成に関与しています。仮肋のなかで関与しないのは、前端が遊離する第11・12肋骨(浮肋)です。
✗ 4. 誤り
上大静脈は胸郭上口を通る。
上大静脈は左右の腕頭静脈が上縦隔で合流してできる血管で、上縦隔を下行し、心膜内(中縦隔)に入って右心房に注ぎます。できる場所も走る場所も胸郭上口(第1胸椎・第1肋骨・胸骨柄上縁の高さ)より下なので、上口は通りません。上口を通る主な構造は気管・食道、総頸動脈・鎖骨下動脈、内頸静脈・鎖骨下静脈、横隔神経・迷走神経・交感神経幹・胸管などと押さえておきましょう。
ポイント
  • 胸骨は上から胸骨柄・胸骨体・剣状突起の3部からなる。
  • 胸骨角は胸骨柄と胸骨体の接合部の隆起で、第2肋骨(第2肋軟骨)が連結する。肋骨を数える基準点になる。
  • 胸骨柄の上縁にあるくぼみが頸切痕(頸静脈切痕)で胸郭上口の前縁をなす。胸骨柄に付くのが第1肋軟骨、胸骨角に付くのが第2肋軟骨と対で覚える。
  • 第1〜7肋骨が真肋、第8〜12肋骨が仮肋。肋骨弓は第7〜10肋軟骨が連なってつくる弓で、真肋の第7肋骨が上端、仮肋の第8〜10肋骨がこれに連なる。第11・12肋骨は浮肋で前端が遊離し、弓に関与しない。
  • 胸郭上口は第1胸椎・第1肋骨・胸骨柄上縁で囲まれ、気管・食道、総頸動脈・鎖骨下動脈、内頸静脈・鎖骨下静脈、横隔神経・迷走神経・交感神経幹・胸管などが通る。上大静脈は上縦隔でできて中縦隔で右心房に注ぐので通らない。
  • 重要用語: 胸骨角, 頸切痕, 真肋・仮肋・浮肋, 肋骨弓, 胸郭上口 を正確に理解しておくこと。
比較表
区分肋骨胸骨との連結肋骨弓への関与
真肋第1〜6肋骨各自の肋軟骨で胸骨に直接連結(第2肋骨は胸骨角の高さ)関与しない
真肋第7肋骨各自の肋軟骨で胸骨に直接連結関与する(肋骨弓の上端・起点)
仮肋(弓をつくる)第8〜10肋骨上位の肋軟骨に連結して間接的につく関与する(第7肋軟骨に連なる)
仮肋(浮肋)第11・12肋骨連結せず前端は遊離関与しない
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題16|胸郭について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題16|胸郭について正しいのはどれか。
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