学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ E. 上肢の骨格 / Q0803

理由で解く 解剖学

Q0803 運動器系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題17
問題
肩甲骨に関する記述で正しいのはどれか。
選択肢
1 関節窩は上角にある。
2 肩甲切痕を腋窩神経が通る。
3 肩峰は体表から触れることができる。
4 烏口突起に大胸筋が停止する。
解答
正解3(肩峰は体表から触れることができる。)
解説
✗ 1. 誤り
関節窩は上角にある。
関節窩は肩甲骨の「外側角」にあり、上腕骨頭と関節を形成する浅い受け皿状の凹みである。上角は肩甲骨内上縁の鋭角部位で、肩甲挙筋が停止する部位であり関節窩ではない。
✗ 2. 誤り
肩甲切痕を腋窩神経が通る。
肩甲切痕を通るのは腋窩神経ではなく「肩甲上神経」である。肩甲切痕は上肩甲横靭帯で塞がれ、その下を肩甲上神経(棘上筋・棘下筋を支配)が、上を肩甲上動脈が通過する。腋窩神経は四辺形間隙を通って三角筋・小円筋を支配する。
✓ 3. 正しい
肩峰は体表から触れることができる。
肩峰は肩甲棘の外側端がせり出した突起で、皮下浅層にあり体表から明瞭に触れることができる。肩関節の最上位の骨性ランドマークで、肩甲胸郭関節の評価、上腕長の基準、肩関節腔内注射の目印として臨床で頻繁に利用される。肩鎖関節は肩峰と鎖骨外側端の間に位置し、これも体表から触知可能。肩峰下滑液包や腱板断裂の診断における触診の起点ともなる、肩の解剖で最も重要な体表指標である。
✗ 4. 誤り
烏口突起に大胸筋が停止する。
烏口突起には大胸筋ではなく「小胸筋」「烏口腕筋」「上腕二頭筋短頭」の3筋が停止または起始する。大胸筋は上腕骨大結節稜に停止する胸壁の筋で、烏口突起とは関係がない。
ポイント
  • 肩甲骨の主要ランドマークは上角・下角・内側縁・外側縁・関節窩・肩甲棘・肩峰・烏口突起・肩甲切痕。肩峰は皮下浅層で体表から触れる代表的体表指標。
  • 覚え方のコツ: 「烏口突起に集まる3筋=小胸筋・烏口腕筋・上腕二頭筋短頭」とセットで記憶。肩甲切痕=肩甲上神経、四辺形間隙=腋窩神経と通過神経を対応させる。
  • 関連知識: 関節窩は外側角に位置し、上端に関節上結節(上腕二頭筋長頭起始)、下端に関節下結節(上腕三頭筋長頭起始)がある。
  • よくある間違い: 関節窩を上角と誤認する/肩甲切痕を通る神経を腋窩神経と誤る/烏口突起に大胸筋が停止と誤る。
  • 臨床応用: 肩峰下滑液包炎は肩峰の直下に圧痛、腱板断裂は肩峰下インピンジメントテスト(Neerテスト)陽性。烏口突起先端の圧痛は上腕二頭筋腱炎のサイン。
比較表
構造 位置 関連する筋・神経
関節窩 外側角 上腕骨頭との関節形成
肩甲棘 背面 棘上窩・棘下窩を分け、僧帽筋停止
肩峰 肩甲棘外側端 体表触知可能、鎖骨外側端と肩鎖関節
烏口突起 前上外側の突起 小胸筋停止、烏口腕筋・上腕二頭筋短頭起始
肩甲切痕 上縁内側 上肩甲横靭帯下を肩甲上神経が通過
上角 内上縁 肩甲挙筋の停止
下角 内下縁 大円筋・広背筋の一部起始
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題17|肩甲骨に関する記述で正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題17|肩甲骨に関する記述で正しいのはどれか。
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