学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ A. 細胞 / Q0011

理由で解く 解剖学

Q0011 人体の構成

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題15
問題
細胞分裂時に消失するのはどれか。
選択肢
1 核 膜
2 染色体
3 中心体
4 ミトコンドリア
解答
正解1(核 膜)
解説
✓ 1. 正しい
核 膜
核膜は細胞分裂の前期に消失する。核は内外2枚の核膜に包まれ、核膜孔を通して核内と細胞質の交流が行われている。染色体がラセンを巻いて凝集を始めると、前期後半で核膜は断片化して小胞状となりいったん消失する。これにより紡錘糸が染色体の動原体に到達して両極へ引き寄せることが可能となる。終期になると各極の染色体のまわりに小胞が再集合して核膜が再形成され、2個の娘細胞にそれぞれ独立した核ができあがる。このように核膜は分裂開始時に消失し、分裂終了時に再形成される動的な構造である。
✗ 2. 誤り
染色体
染色体は細胞分裂時に消失するどころか、間期の染色質(散在して見えない状態)から凝集して目に見える構造として出現する。分裂に先立ちDNAは複製されて2倍量となり、ラセンをきつく巻いてコンパクトに荷造りされたものが染色体である。
✗ 3. 誤り
中心体
中心体(中心小体)は微小管の集まりからなる円筒形の小体で、2つ1組で行動する。分裂に先立って複製され、細胞の両極に移動して紡錘体形成の中心となり、染色体を引き寄せる。消失するのではなく分裂時に活発に機能する小器官である。
✗ 4. 誤り
ミトコンドリア
ミトコンドリアは二重膜からなる小器官で、細胞のエネルギー産生の場である。分裂時にも細胞質中に存在し続け、活発にATPを供給して分裂の進行を支え、分裂後は2個の娘細胞に分配される。消失する構造ではない。
ポイント
  • 核膜は細胞分裂の前期に消失し、終期で再形成される動的な構造である。
  • 覚え方のコツ: 「前期で消えて終期で復活」とセットで記憶。核膜が消えるから紡錘糸が染色体(動原体)に到達できる、と因果で覚える。
  • 関連知識: 染色体は前期に凝集して出現(消えるのでなく現れる)、中心小体は両極に移動し紡錘体形成の中心となる、ミトコンドリアは分裂中も活躍。
  • よくある間違い: 「染色体は分裂で消える」と誤答する(むしろ前期に出現)/中心小体が消えると誤認する。
  • 臨床応用: 核膜の消失と再形成は、紡錘糸が染色体に正しく結合し娘細胞に均等分配されるために不可欠な現象で、この過程の乱れは染色体異常(不分離)の一因となる。
比較表
構造 分裂時の挙動 時期
核膜 消失→再形成 前期に消失・終期に再形成
染色体 出現(凝集して可視化) 前期に出現し終期に脱凝集
中心小体 複製して両極へ移動 間期に複製・前期以降に紡錘体中心
ミトコンドリア 消失せず細胞質に存続 分裂中も活動し娘細胞に分配
核小体 一時的に消失→再形成 前期に消失・終期に再出現
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題15|細胞分裂時に消失するのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題15|細胞分裂時に消失するのはどれか。
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