学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ A. 細胞 / Q0010

理由で解く 解剖学

Q0010 人体の構成

出典:あマ指 第28回(2020) 問題16
問題
細胞小器官とその働きの組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 粗面小胞体―――――――加水分解酵素による分解
2 ゴルジ装置―――――――カルシウムイオンの貯蔵
3 ミトコンドリア―――――エネルギーの産生
4 リソソーム―――――――蛋白質の合成
解答
正解3(ミトコンドリア―――――エネルギーの産生)
解説
✗ 1. 誤り
粗面小胞体―――――――加水分解酵素による分解
粗面小胞体は表面に顆粒状のリボソームが付着した小胞体で、タンパク質の合成を行う。合成されたタンパク質はゴルジ装置で加工される。加水分解酵素による分解を行うのはリソソームである。
✗ 2. 誤り
ゴルジ装置―――――――カルシウムイオンの貯蔵
ゴルジ装置は扁平な滑面小胞体が積み重なった構造で、粗面小胞体でつくられたタンパク質に糖質を付加するなど加工した後、膜に包んで分泌顆粒として細胞外へ送る、あるいはリソソームとして細胞内へ輸送する。カルシウムイオンの貯蔵を行うのは筋細胞の滑面小胞体(筋小胞体)などである。
✓ 3. 正しい
ミトコンドリア―――――エネルギーの産生
ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生の場である。0.1〜1µmの球形ないし糸状(ソーセージ状)の小体で、肝細胞1個に約2,000個含まれるといわれ、内外2枚の膜からなり、内膜は深く折れ込んでクリスタを形成する。クリスタ上の種々の酵素により栄養素を燃焼し、得たエネルギーをATPの形で細胞活動に供給する。「細胞のエネルギー工場」と呼ばれ、肝細胞・心筋・骨格筋など活動の活発な細胞ほど多く含まれる。
✗ 4. 誤り
リソソーム―――――――蛋白質の合成
リソソームはゴルジ装置で形成される膜包小体で、内部に加水分解酵素を含み、不要となった細胞成分や食作用で取り込んだ食胞と融合して内容物を分解する「細胞内消化」の小体である。タンパク質の合成を行うのはリボソーム(粗面小胞体)である。
ポイント
  • ミトコンドリアは二重膜・クリスタ構造を持ち、酸化的リン酸化によりATPを産生する「細胞のエネルギー工場」である。
  • 覚え方のコツ: 「粗面=タンパク合成/滑面=脂質・Ca²⁺/ゴルジ=加工・分泌/リソソーム=分解/ミト=ATP」と1機能1小器官で記憶。
  • 関連知識: ミトコンドリアは肝細胞1個に約2,000個。活動の活発な細胞(心筋・骨格筋・肝)ほど多い。内膜のクリスタで電子伝達系が働く。
  • よくある間違い: リソソーム(分解)とリボソーム(合成)の音の類似で取り違える。粗面小胞体とゴルジ装置の役割を混同する。
  • 臨床応用: ミトコンドリア機能不全はエネルギー代謝疾患(MELAS、Leigh脳症など)を引き起こし、筋・脳・心など高エネルギー需要臓器に症状が現れる。
比較表
細胞小器官 主な働き 特徴
粗面小胞体 タンパク質合成 リボソーム付着
滑面小胞体 脂質合成・Ca²⁺貯蔵 リボソームなし
ゴルジ装置 タンパク質の加工・分泌 扁平な袋の積み重ね
ミトコンドリア ATP産生(好気的代謝) 二重膜・クリスタ
リソソーム 加水分解による消化 加水分解酵素を含む
リボソーム タンパク質合成(翻訳) 顆粒状小体
中心小体 紡錘体形成(分裂) 2個1組の円筒
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題16|細胞小器官とその働きの組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題16|細胞小器官とその働きの組合せで正しいのはどれか。
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