
この図の解説
この図は、細胞膜を通した物質の出入りを5つの方式に整理した比較図である。左から順に、拡散(単純拡散・促通拡散)、イオンポンプ、イオンチャネル(電位依存チャネル・リガンド作動チャネル)が並ぶ。まず色分けに注目したい。矢印がすべて濃度の高い側から低い側へ下向きに向かうものは受動輸送で、エネルギーを使わない。単純拡散では水・酸素・二酸化炭素・脂溶性物質が脂質二重層をそのまま通過し、促通拡散ではアミノ酸やグルコースが担体タンパク質を介して運ばれる。中央のイオンポンプだけは「ATP」の文字とともに矢印が濃度勾配に逆らって描かれ、Naを細胞外へ、Kを細胞内へ汲み出す能動輸送を示す。右のイオンチャネルは、電位変化を感知して開くもの(赤い波形=活動電位)と、リガンドが結合して開くものの2型に分かれる。受動か能動か、そして通す物質は何かを対応づけて読むのがこの図の要点である。
学習の要点
- 膜輸送は受動輸送(拡散・チャネル)と能動輸送(ポンプ)に大別され、ATPを使うのはイオンポンプだけである。
- 覚え方のコツ: 「ポンプだけ坂を上る」。濃度勾配に逆らう=能動輸送=ATP必要はイオンポンプのみ、残り4つは坂を下る受動輸送。
- 関連知識: Na-Kポンプがつくる細胞内外のイオン差は、神経細胞の静止電位・活動電位の土台になる。ナトリウムチャネルが開くと脱分極が起こる。
- よくある間違い: 促通拡散を「担体を使うから能動輸送」と誤解しやすいが、濃度勾配に従うので受動輸送。担体の有無と能動・受動は別問題。
- 臨床応用: リガンド作動チャネルは神経伝達物質や水溶性ホルモンが結合して開く。神経-筋接合部の情報伝達を理解する基礎になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
単純拡散では、水・酸素・二酸化炭素・脂溶性物質が細胞膜の( )をそのまま自由に通過する。( )に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 脂質二重層
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。