学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ E. 上肢の骨格 / Q0815

理由で解く 解剖学

Q0815 運動器系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題17
問題
尺骨にあるのはどれか。
選択肢
1 肘頭窩
2 滑車切痕
3 尺骨切痕
4 尺骨神経溝
解答
正解2(滑車切痕)
解説
✗ 1. 誤り
肘頭窩
肘頭窩は「上腕骨」下端後面にある深いくぼみで、肘関節伸展時に尺骨の肘頭が収まる場所である。尺骨にあるのは滑車切痕の尺骨側突起(=肘頭そのもの)。
✓ 2. 正しい
滑車切痕
滑車切痕は尺骨上端前面にある半月状の大きなくぼみで、上腕骨滑車と対面して腕尺関節(蝶番関節)を構成する。滑車切痕の上端は肘頭として後方に突出し、下端は鉤状突起として前方に突出する。肘関節伸展時には肘頭が上腕骨の肘頭窩に収まり、屈曲時には鉤状突起が鉤突窩に収まって関節運動が円滑に進む。滑車切痕の外側縁には橈骨と連結する橈骨切痕があり、ここで上橈尺関節(車軸関節)を構成する。肘関節の屈伸に直接関わる尺骨の代表的な関節面である。
✗ 3. 誤り
尺骨切痕
尺骨切痕は「橈骨」下端の内側にある浅いくぼみで、尺骨頭と関節して下橈尺関節(車軸関節)を形成する。尺骨側にあるのではなく、橈骨側にある関節面である点に注意。
✗ 4. 誤り
尺骨神経溝
尺骨神経溝は「上腕骨」内側上顆の後面にある浅い溝で、ここを尺骨神経が通る。尺骨本体にあるのではなく上腕骨にある構造である。
ポイント
  • 滑車切痕は尺骨上端の大きな半月状関節面で、上腕骨滑車と腕尺関節を構成する。
  • 覚え方のコツ: 「切痕の主は骨が違う」。滑車切痕=尺骨、尺骨切痕=橈骨(尺骨と関節するのは橈骨側にある)、と対で整理。
  • 関連知識: 尺骨上端には滑車切痕・肘頭・鉤状突起・橈骨切痕・尺骨粗面、下端には尺骨頭・茎状突起がある。橈骨下端には尺骨切痕・茎状突起・リスター結節。
  • よくある間違い: 肘頭「窩」は上腕骨、肘「頭」は尺骨と混同しがち。「窩=凹、頭=凸」と反対側の骨に対応。尺骨神経溝も上腕骨側。
  • 臨床応用: 肘部管(尺骨神経溝の下方)で尺骨神経が圧迫されると、小指・環指尺側のしびれ・骨間筋萎縮(鷲手)が起こる。肘関節脱臼では尺骨鉤状突起骨折を合併しやすい。
比較表
構造 所属 機能
滑車切痕 尺骨上端 上腕骨滑車と腕尺関節
肘頭 尺骨上端後方 伸展時に肘頭窩へ
鉤状突起 尺骨上端前方 屈曲時に鉤突窩へ
橈骨切痕 尺骨上端外側 橈骨頭と上橈尺関節
肘頭窩 上腕骨下端後面 伸展時に肘頭を受ける
尺骨切痕 橈骨下端内側 尺骨頭と下橈尺関節
尺骨神経溝 上腕骨内側上顆後面 尺骨神経の通路
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題17|尺骨にあるのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題17|尺骨にあるのはどれか。
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