学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0739

理由で解く 解剖学

Q0739 感覚器系

出典:あマ指 第31回(2023) 問題22
問題
内耳について正しいのはどれか。
選択肢
1 鼓膜は内耳と鼓室の隔壁である。
2 内耳は耳管を通して咽頭につながる。
3 半規管には平衡斑がある。
4 蝸牛管は内リンパで満たされる。
解答
正解4(蝸牛管は内リンパで満たされる。)
解説
✗ 1. 誤り
鼓膜は内耳と鼓室の隔壁である。
鼓膜は外耳と中耳(鼓室)の隔壁であり、内耳と鼓室の隔壁ではない。中耳と内耳の境界は前庭窓・蝸牛窓の膜であって鼓膜ではない。
✗ 2. 誤り
内耳は耳管を通して咽頭につながる。
耳管が連絡するのは「中耳(鼓室)と咽頭鼻部」であって、内耳と咽頭ではない。内耳は完全に閉鎖された液体充填システムで外界(咽頭)と直接交通しない。
✗ 3. 誤り
半規管には平衡斑がある。
半規管にあるのは平衡斑ではなく「膨大部稜」(回転加速度)。平衡斑は前庭の卵形嚢・球形嚢の内面にあり、直線加速度を担う。
✓ 4. 正しい
蝸牛管は内リンパで満たされる。
蝸牛管は蝸牛内の膜迷路(中2階)で、その内部は内リンパ(高K⁺・低Na⁺の細胞内液様組成)で満たされる。一方、蝸牛管の上下を挟む前庭階・鼓室階は外リンパ(細胞外液様)で満たされる。蝸牛管のライスネル膜と基底板により外リンパとの間に電気的バリア(蝸牛内電位+80〜+100mV)が形成され、これが基底板上のコルチ器の有毛細胞の機械感受性チャネル開閉に伴う受容器電位発生の駆動力となる。「膜迷路=内リンパ/骨迷路と膜迷路の間=外リンパ」「内リンパ=高K/外リンパ=高Na」という基本ルールが内耳機能の電気生理学的基盤であり、本選択肢が正解。
ポイント
  • 蝸牛管は内リンパ(高K⁺)で満たされた膜迷路で、底面の基底板上のコルチ器が聴覚を成立させる。前庭階・鼓室階は外リンパ(高Na⁺)。
  • 覚え方のコツ: 境界の整理:「外耳/中耳=鼓膜」「中耳/内耳=前庭窓・蝸牛窓」「内耳:蝸牛管(内)/前庭階・鼓室階(外)」と3層境界を明確に。
  • 関連知識: 蝸牛管の側壁には血管条があり、内リンパの分泌・イオン組成維持を担う。内リンパの恒常性破綻が内リンパ水腫を惹起し、メニエール病の病態となる。
  • よくある間違い: 「鼓膜=内耳の隔壁」「耳管=内耳と咽頭」「半規管=平衡斑」のいずれも頻出のひっかけ誤答。3つとも厳密に区別する練習が必要。
  • 臨床応用: 人工内耳手術では蝸牛の鼓室階(外リンパ)に電極を挿入する。蝸牛管の内リンパ系を傷つけずに鼓室階経由で蝸牛神経を直接電気刺激することで聴覚再建が可能。
比較表
構造 充填液 主な機能
蝸牛管(中2階) 内リンパ コルチ器→聴覚
卵形嚢・球形嚢 内リンパ 平衡斑→直線加速度
膜半規管 内リンパ 膨大部稜→回転加速度
前庭階・鼓室階 外リンパ 振動伝達路
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題22|内耳について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題22|内耳について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手