学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0673

理由で解く 解剖学

Q0673 神経系

出典:あマ指 第31回(2023) 問題21
問題
橈骨神経について正しいのはどれか。
選択肢
1 腕神経叢の外側神経束から分かれる。
2 上腕と前腕の伸筋を支配する。
3 上腕骨内側上顆の後方を通る。
4 手根管を通る。
解答
正解2(上腕と前腕の伸筋を支配する。)
解説
✗ 1. 誤り
腕神経叢の外側神経束から分かれる。
橈骨神経は腕神経叢の後神経束から分かれる(C5〜T1)。外側神経束から出るのは筋皮神経と正中神経外側根で、橈骨神経とは由来が異なる。後神経束5枝の中で最大の神経である。
✓ 2. 正しい
上腕と前腕の伸筋を支配する。
橈骨神経は上腕で上腕三頭筋・肘筋・腕橈骨筋・長橈側手根伸筋を支配し、肘関節前方で深枝(後骨間神経)に分かれて前腕伸筋群(短橈側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋・回外筋・長短母指伸筋・長母指外転筋・示指伸筋)をほぼすべて支配する。「伸筋の総司令」として記憶する。
✗ 3. 誤り
上腕骨内側上顆の後方を通る。
上腕骨内側上顆の後方(尺骨神経溝)を通るのは尺骨神経である。橈骨神経は上腕骨「体後面」の橈骨神経溝を螺旋状に下行し、外側上顆前方で深枝と浅枝に分かれる。内側/外側、前/後を正確に区別する必要がある。
✗ 4. 誤り
手根管を通る。
手根管(屈筋支帯下)を通るのは正中神経と9本の屈筋腱(浅指屈筋・深指屈筋各4+長母指屈筋1)である。橈骨神経は肘より末梢で深枝(筋枝)と浅枝(感覚枝)に分かれ、浅枝は腕橈骨筋下を下行して手背へ出るため手根管は通らない。
ポイント
  • 橈骨神経は上腕・前腕の伸筋群をほぼ全支配する「伸筋の神経」で、由来は後神経束、走行は橈骨神経溝である。
  • 覚え方のコツ: 「後(うしろ)の神経束から出て、体の後(うしろ)面の伸筋を支配する」と“後”でまとめて記憶。
  • 関連知識: 橈骨神経溝は上腕骨中央後面を螺旋状に横断するため、上腕骨幹部骨折では橈骨神経が高頻度に合併損傷する。
  • よくある間違い: 「外側上顆後面」「内側上顆後面」「体後面(橈骨神経溝)」の混同。橈骨神経は上腕骨体後面。
  • 臨床応用: 橈骨神経麻痺(土曜夜麻痺、松葉杖麻痺、上腕骨骨幹部骨折)では下垂手(Drop hand)となり、手関節・指MP関節の伸展が不能になる。感覚は手背橈側と第1-2指間の背側に限局して低下する。
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題21|橈骨神経について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題21|橈骨神経について正しいのはどれか。
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