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理由で解く 解剖学

Q0012 人体の構成

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題15
問題
結合組織の細胞について正しい記述はどれか。
選択肢
1 形質細胞はT リンパ球から分化した細胞である。
2 大食細胞の細胞質には大量のリソソームが含まれる。
3 脂肪細胞の細胞質はコレステロールで占められる。
4 肥満細胞の細胞質は大量の中性脂肪で占められる。
解答
正解2(大食細胞の細胞質には大量のリソソームが含まれる。)
解説
✗ 1. 誤り
形質細胞はT リンパ球から分化した細胞である。
形質細胞はBリンパ球から分化した細胞である。楕円形で核は側方に偏在し、染色質が放射状に広がる車輪核を呈する。細胞質には粗面小胞体が発達し、抗体(免疫グロブリン)を産生する。Tリンパ球はBリンパ球の形質細胞への分化を補助する調節役である。
✓ 2. 正しい
大食細胞の細胞質には大量のリソソームが含まれる。
大食細胞(マクロファージ)は結合組織に存在し、食作用により細菌や死んだ細胞などの異物を取り込んで分解処理する。細胞質には異物を分解するための多数のリソソームが含まれる。リソソームはゴルジ装置で形成された膜包小体で、各種の加水分解酵素を含み、食胞と融合して内容物を消化する細胞内消化の中心的な小器官である。大食細胞は貪食・消化を行うとともに、抗原情報をリンパ球に提示(抗原提示)して抗体産生を促す免疫応答の橋渡し役でもある。血中の単球が組織に移行して大食細胞となる。
✗ 3. 誤り
脂肪細胞の細胞質はコレステロールで占められる。
脂肪細胞の細胞質は中性脂肪(トリグリセリド)で占められる。顕微鏡標本ではアルコール処理で脂肪が溶けるため、細胞だけが指輪形に残る。コレステロールは生体膜やステロイドホルモンの原料となる脂質で、脂肪細胞の貯蔵物質ではない。
✗ 4. 誤り
肥満細胞の細胞質は大量の中性脂肪で占められる。
肥満細胞の細胞質はヒスタミンを含む大量の顆粒で占められる。大量の顆粒を抱え込み丸く大きく太っていることから「肥満」細胞と呼ばれる。中性脂肪で占められるのは脂肪細胞である。肥満細胞の顆粒はIgE受容体を介して抗原と接触するとヒスタミンを放出し、喘息・花粉症・じんま疹などのI型アレルギーを引き起こす。
ポイント
  • 大食細胞(マクロファージ)は細胞質に多数のリソソームを含み、食作用で取り込んだ異物を加水分解酵素で分解する。
  • 覚え方のコツ: 「大食=食べる=リソソーム(消化袋)が多い」。肥満細胞=ヒスタミン、脂肪細胞=中性脂肪、形質細胞=抗体=Bリンパ球由来と1対1で記憶。
  • 関連知識: 大食細胞は血中単球が組織に移行したもの。破骨細胞も単球系で、同じ系譜から分化する。
  • よくある間違い: 形質細胞をTリンパ球由来と誤認/肥満細胞と脂肪細胞を取り違える/コレステロールと中性脂肪を混同する。
  • 臨床応用: マクロファージは抗原提示で免疫応答の起点となり、肥満細胞は喘息・じんま疹などI型アレルギーを媒介する。抗ヒスタミン薬はこの機序を標的とする。
比較表
細胞 由来 特徴的内容物 主な機能
大食細胞 単球 多数のリソソーム 食作用・抗原提示
肥満細胞 骨髄系 ヒスタミン顆粒 アレルギー(I型)
形質細胞 Bリンパ球 発達した粗面小胞体 抗体産生
脂肪細胞 線維芽細胞系 大量の中性脂肪 エネルギー貯蔵
線維細胞 間葉系 粗面小胞体 膠原線維産生
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題15|結合組織の細胞について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題15|結合組織の細胞について正しい記述はどれか。
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