学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0732

理由で解く 解剖学

Q0732 感覚器系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題33
問題
耳について正しい記述はどれか。
選択肢
1 キヌタ骨は鼓室にある。
2 耳管は内耳と咽頭をつないでいる。
3 コルチ器は前庭階の中にある。
4 鼓室階の内部は内リンパ液で満たされている。
解答
正解1(キヌタ骨は鼓室にある。)
解説
✓ 1. 正しい
キヌタ骨は鼓室にある。
キヌタ骨は耳小骨3個(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)の中央に位置する骨で、ツチ骨とアブミ骨の間に挟まれて中耳の鼓室内にある。耳小骨は互いに関節で連結し鼓膜の振動をアブミ骨底→前庭窓→内耳の外リンパへと伝達する。鼓室は粘膜に覆われた中耳の空気腔で、3個の耳小骨が音響インピーダンスマッチング(鼓膜面積:アブミ骨底面積比=約17倍、レバー比×1.3=合計約22倍の音圧増幅)を担う。「耳小骨は鼓室にある」というのは中耳解剖の基本中の基本であり、本選択肢が正解。鼓室・耳管・耳小骨が中耳の3要素である。
✗ 2. 誤り
耳管は内耳と咽頭をつないでいる。
耳管は中耳の鼓室と咽頭鼻部を結ぶ管であり、内耳と咽頭をつなぐものではない。内耳は完全に閉鎖された液体充填システムで外界とは交通しない。鼓室の気圧調整が耳管の主機能。
✗ 3. 誤り
コルチ器は前庭階の中にある。
コルチ器(ラセン器)は蝸牛管(中2階=膜迷路)の基底板上にあるのであって、前庭階(外リンパ充填の上階)の中ではない。3階構造の各階の役割を区別する必要がある。
✗ 4. 誤り
鼓室階の内部は内リンパ液で満たされている。
鼓室階は前庭階と同じく外リンパで満たされる。「内リンパ」が満たすのは膜迷路(蝸牛管・卵形嚢・球形嚢・膜半規管)であって、前庭階・鼓室階の外リンパとは区別する。
ポイント
  • 耳小骨3個(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)は中耳の鼓室にある。耳管は鼓室と咽頭鼻部を結び、コルチ器は蝸牛管に、外リンパは前庭階・鼓室階を満たす。
  • 覚え方のコツ: 「ツチ・キヌタ・アブミは鼓室」「コルチは蝸牛管(中2階)」「内リンパは膜迷路、外リンパは骨迷路」と階層と液性で対比して暗記。
  • 関連知識: 耳小骨連鎖は鼓膜の振動を約22倍に音圧増幅する(インピーダンスマッチング)。これにより空気→液体(外リンパ)への効率的な振動伝達が成立する。
  • よくある間違い: 「内リンパ=鼓室階」「コルチ器=前庭階」と階層を取り違えるミスが頻発。階層と液性のセット(前庭階:外リンパ/蝸牛管:内リンパ+コルチ/鼓室階:外リンパ)を厳密に。
  • 臨床応用: 中耳真珠腫はキヌタ骨長脚を破壊することが多く、伝音性難聴を生じる。鼓室形成術ではキヌタ骨を加工して耳小骨連鎖を再建する手技が用いられる。
比較表
階層 液性 構造物
前庭階(上階) 外リンパ 前庭窓に始まる
蝸牛管(中2階) 内リンパ 基底板上にコルチ器
鼓室階(下階) 外リンパ 蝸牛窓で消失
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題33|耳について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題33|耳について正しい記述はどれか。
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