学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0733

理由で解く 解剖学

Q0733 感覚器系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題28
問題
頭部において迷走神経が分布するのはどれか。
選択肢
1 耳下腺
2 外耳道
3 鼓 室
4 鼓膜張筋
解答
正解2(外耳道)
解説
✗ 1. 誤り
耳下腺
耳下腺の感覚は耳介側頭神経(V3)、分泌は舌咽神経(IX)の副交感神経(耳神経節を経由)が支配する。迷走神経の支配ではない。
✓ 2. 正しい
外耳道
外耳道と鼓膜の外面の感覚は、主に下顎神経(V3)の枝である耳介側頭神経が担うが、後方の一部および鼓膜外面の一部は迷走神経耳介枝(アーノルド神経)が支配する。アーノルド神経は迷走神経が頭部で唯一感覚枝を出す部位として臨床的に重要で、外耳道掻爬刺激で咳反射が起こる「Arnold反射」(耳-咳反射)の解剖学的基盤となる。頭部における迷走神経の体性感覚分布は本選択肢の外耳道(および鼓膜外面の一部)に限られ、迷走神経の頭頸部分布として確実に押さえる必要がある。設問は迷走神経の頭部体性感覚枝の分布部位を問うており、本選択肢が正解。
✗ 3. 誤り
鼓 室
鼓室の粘膜感覚は舌咽神経(IX)の鼓室神経(鼓室神経叢を形成)が支配する。迷走神経ではない。鼓室神経はその後、小錐体神経として耳神経節に至る。
✗ 4. 誤り
鼓膜張筋
鼓膜張筋は三叉神経下顎枝(V3)の運動枝(鼓膜張筋神経)が支配する。鼓膜張筋=V3、アブミ骨筋=VIIと耳小骨筋の支配神経は対比して暗記。迷走神経の支配ではない。
ポイント
  • 迷走神経は頭部では外耳道後壁・鼓膜外面の一部に体性感覚枝(耳介枝=アーノルド神経)を出す。これが頭部での唯一の体性感覚分布部位。
  • 覚え方のコツ: 「外耳道=V3+X」「鼓膜外面=V3+X」「鼓膜内面=IX」「鼓室=IX」「鼓膜張筋=V3」「アブミ骨筋=VII」と神経分布をまとめて整理。
  • 関連知識: 迷走神経の頭頸部枝は、頸静脈孔出孔後に上喉頭神経・反回神経などを分岐するが、頭部では耳介枝(アーノルド神経)が体性感覚を担う唯一の枝。咽頭神経叢にも参加。
  • よくある間違い: 耳の感覚は複数の神経が混在分布する複雑領域。「耳介=V3+C2/C3」「外耳道=V3+X」「鼓室=IX」と区分ごとに分けて整理する。
  • 臨床応用: 外耳道掻爬(耳掃除など)でアーノルド反射により咳発作が起こる症例がある。心臓の神経反射的徐脈やめまいを誘発することもあり、迷走神経反射として注意が必要。
比較表
部位 主な感覚神経
耳介前面・外耳道前壁 耳介側頭神経(V3)
耳介後面・外耳道後壁・鼓膜外面 迷走神経耳介枝(X、アーノルド神経)
鼓膜内面・鼓室粘膜 舌咽神経(IX、鼓室神経)
耳下腺 V3(感覚)/IX(分泌)
鼓膜張筋 三叉神経下顎枝(V3)運動枝
アブミ骨筋 顔面神経(VII)
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題28|頭部において迷走神経が分布するのはどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題28|頭部において迷走神経が分布するのはどれか。
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