学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0734

理由で解く 解剖学

Q0734 感覚器系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題30
問題
内耳において膨大部稜があるのはどれか。
選択肢
1 半規管
2 球形嚢
3 卵形嚢
4 蝸牛
解答
正解1(半規管)
解説
✓ 1. 正しい
半規管
半規管は3本(前・後・外側)の半円形の管からなる内耳の平衡覚器で、各管の一端に膨大部という膨らみがある。膨大部の内面に膨大部稜という有毛感覚細胞の直線状の高まりが存在し、感覚毛がゼリー状のクプラ(cupula)に埋まる。頭部が回転すると半規管内の内リンパが慣性で逆方向に流動し、クプラを偏倚させて感覚毛を屈曲させる。これが機械感受性チャネルを開いて脱分極を生じ、回転加速度(角加速度)情報が前庭神経を介して中枢に伝えられる。3本が直交配置されることで全方向の回転を3次元的に検出できる。本選択肢が解剖学的に正解である。
✗ 2. 誤り
球形嚢
球形嚢は前庭にある膜迷路の袋で、内面に平衡斑をもち垂直方向の直線加速度(重力)を感受する。受容器は平衡斑であって膨大部稜ではない。
✗ 3. 誤り
卵形嚢
卵形嚢も前庭の膜迷路の袋で、平衡斑をもち水平方向の直線加速度・頭部傾きを感受する。受容器は平衡斑であって膨大部稜は存在しない。
✗ 4. 誤り
蝸牛
蝸牛の蝸牛管にあるのはコルチ器(ラセン器)で、聴覚を司る。膨大部稜は半規管の専有受容器で、蝸牛にはない。
ポイント
  • 膨大部稜は3本の半規管の各膨大部内にある有毛感覚細胞の高まりで、回転加速度(角加速度)を感受する平衡覚受容器。
  • 覚え方のコツ: 「半規管=回転(膨大部稜)」「卵形・球形嚢=直線(平衡斑)」「蝸牛=音(コルチ)」と部位×感覚を3点でセット。
  • 関連知識: 3本の半規管は前半規管・後半規管・外側(水平)半規管。互いに直交配置されることで全方向の頭部回転を3次元検出する。クプラ偏倚→感覚毛屈曲→脱分極の機序で動作。
  • よくある間違い: 「平衡斑」と「膨大部稜」を取り違えるミスが頻発。「斑=斑点(嚢の壁面)」「稜=山稜(管の膨らみ)」と形態的イメージで対比。
  • 臨床応用: 前庭神経炎(ウイルス性)は半規管・膨大部稜の機能障害により回転性めまい・自発眼振を生じる。聴覚は保たれる点でメニエール病と鑑別する。
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題30|内耳において膨大部稜があるのはどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題30|内耳において膨大部稜があるのはどれか。
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