学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0653

理由で解く 解剖学

Q0653 神経系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題32
問題
上肢の神経において上腕骨内側上顆の後方を走行するのはどれか。
選択肢
1 筋皮神経
2 正中神経
3 尺骨神経
4 橈骨神経
解答
正解3(尺骨神経)
解説
✗ 1. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は上腕前面で烏口腕筋を貫通してから上腕二頭筋と上腕筋の間を下行する。内側上顆とは無関係で、上腕遠位では外側前腕皮神経として前腕外側に抜ける。
✗ 2. 誤り
正中神経
正中神経は肘窩の「前面」を上腕動脈の内側に沿って通り、円回内筋二頭間を貫いて前腕に入る。内側上顆の後方ではなく前内側を通過するため該当しない。
✓ 3. 正しい
尺骨神経
尺骨神経は上腕内側を下行し、肘関節部で上腕骨内側上顆の後面にある「尺骨神経溝」を通り、肘部管で尺側手根屈筋の二頭の間を通って前腕に入る。この部位は皮下浅層で骨に接するため、肘を机にぶつけた時の痺れ(ファニーボーン現象)の原因となる。肘部管症候群や肘内側の外傷でもっとも損傷されやすい部位であり、尺骨神経麻痺では環指尺側・小指の感覚障害と手内在筋萎縮による鷲手変形を呈する。内側上顆骨折(特に小児の上腕骨顆上骨折)で遅発性に尺骨神経麻痺を起こすこともある。
✗ 4. 誤り
橈骨神経
橈骨神経は上腕骨骨幹部後面の橈骨神経溝を走行したのち、外側上顆前方の橈骨管に入る。内側上顆ではなく外側。外側上顆では深枝が回外筋を貫き後骨間神経として前腕伸筋群を支配する。
ポイント
  • 肘関節周囲で上肢神経は「尺骨=内側上顆後、正中=肘窩中央、橈骨=外側上顆前」と三分する。
  • 覚え方のコツ: 「内側後ろ=尺骨神経、肘を打った時の痺れ(funny bone)」と身体感覚で記憶。肘部管の天井は尺側手根屈筋。
  • 関連知識: 尺骨神経溝はX線で確認でき、肘部管は肘を90度以上屈曲すると内圧が上昇する。長時間の肘屈曲姿勢(読書、パソコン作業)は肘部管症候群のリスクとなる。
  • よくある間違い: 尺骨神経を外側上顆と誤る(肘関節では内外の混同頻発)/上腕遠位での橈骨神経走行と混同する。
  • 臨床応用: Tinel徴候(内側上顆後ろを叩くと小指側に放散痛・しびれ)、Froment徴候(親指と人差し指での紙つまみで母指IP関節が屈曲)が陽性なら尺骨神経障害を疑う。
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題32|上肢の神経において上腕骨内側上顆の後方を走行するのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題32|上肢の神経において上腕骨内側上顆の後方を走行するのはどれか。
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