学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0652

理由で解く 解剖学

Q0652 神経系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題27
問題
脊髄神経の走路について正しい記述はどれか。
選択肢
1 大腿神経は血管裂孔を通る。
2 閉鎖神経は筋裂孔を通る。
3 陰部神経は小坐骨孔を通る。
4 坐骨神経は梨状筋上孔を通る。
解答
正解3(陰部神経は小坐骨孔を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
大腿神経は血管裂孔を通る。
大腿神経は血管裂孔ではなく「筋裂孔」を通る。血管裂孔は鼠径靭帯下の内側で大腿動静脈が通り、大腿神経は外側の筋裂孔を腸腰筋の表面に沿って下行する。
✗ 2. 誤り
閉鎖神経は筋裂孔を通る。
閉鎖神経は筋裂孔ではなく「閉鎖管」を通る。閉鎖管は寛骨の閉鎖孔上縁に位置する骨性の管で、閉鎖動静脈と閉鎖神経の三つがセットで骨盤内から大腿内側へ抜ける通路である。
✓ 3. 正しい
陰部神経は小坐骨孔を通る。
陰部神経(S2-S4)は仙骨神経叢下部から起こり、大坐骨孔(梨状筋下孔)から一旦骨盤外に出たのち、坐骨棘を回り込んで「小坐骨孔」から再び坐骨直腸窩に入り、会陰部に分布する。大坐骨孔→小坐骨孔とU字を描く独特の走路を持ち、会陰・外尿道括約筋・外肛門括約筋の随意運動と会陰部皮膚感覚を支配する。この走路は骨盤内構造(坐骨棘・仙棘靭帯・仙結節靭帯)との位置関係で定まっており、陰部神経ブロックの手技的根拠となる。
✗ 4. 誤り
坐骨神経は梨状筋上孔を通る。
坐骨神経は梨状筋上孔ではなく「梨状筋下孔」を通る。梨状筋上孔を通るのは上殿神経・上殿動静脈のみ。坐骨神経は仙骨神経叢最大の枝で、梨状筋下孔から殿部に出て大腿後面を下行する。
ポイント
  • 下肢主要神経の骨盤部通路は「大腿神経=筋裂孔」「閉鎖神経=閉鎖管」「坐骨神経=梨状筋下孔」「陰部神経=大坐骨孔→小坐骨孔」と一対一で覚える。
  • 覚え方のコツ: 「陰部神経は大に出て小に入る(U字)」と形状でイメージ。「坐骨は下から、上殿は上から」と梨状筋孔を対比。
  • 関連知識: 陰部神経は骨盤外の坐骨直腸窩内で「Alcock管(陰部神経管)」と呼ばれる閉鎖筋膜で覆われた管を通る。この部位は陰部神経痛(Alcock症候群)の発症部位。
  • よくある間違い: 陰部神経を大坐骨孔のみの通過と誤る(実際は大→小の二段通過)/坐骨神経を梨状筋上孔と誤認する。
  • 臨床応用: 坐骨棘を触知して陰部神経ブロック(経腟または経会陰アプローチ)を行い、分娩時の会陰部麻酔に用いる。
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題27|脊髄神経の走路について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題27|脊髄神経の走路について正しい記述はどれか。
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