学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0651

理由で解く 解剖学

Q0651 神経系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題31
問題
皮膚の部位と支配する脊髄神経の高さについて正しい組合せはどれか。
選択肢
1 乳 頭 ――――― 第2 胸神経
2 剣状突起部 ――― 第5 胸神経
3 臍 ――――――― 第10 胸神経
4 鼠径溝 ――――― 第1 仙骨神経
解答
正解3(臍 ――――――― 第10 胸神経)
解説
✗ 1. 誤り
乳 頭 ――――― 第2 胸神経
乳頭部の皮膚分節はT2ではなく「T4」が支配する。T2は腋窩から上腕内側に対応する分節で、乳頭部より3分節上にある。乳頭=T4は国試頻出のランドマーク。
✗ 2. 誤り
剣状突起部 ――― 第5 胸神経
剣状突起部の皮膚分節はT5ではなく「T7」前後が支配する。T5は乳頭の約1分節下に位置するレベルで、剣状突起(T6-T7肋弓角)よりやや高い。剣状突起部は大まかにT6-T7と理解する。
✓ 3. 正しい
臍 ――――――― 第10 胸神経
臍の皮膚分節はT10で正しい。「臍=T10」はデルマトームの基本ランドマークで、乳頭部T4・臍T10・鼠径部L1・膝L3-L4・母趾L5・小趾S1と並ぶ重要な分節基準となる。臨床では脊髄損傷の高さ診断や帯状疱疹の分節分布の判定に用いられる。脊髄節は体節発生に由来して体表を帯状に分節支配するため、水準を上下に数分節ずつ辿ることで病変レベルを推定できる。
✗ 4. 誤り
鼠径溝 ――――― 第1 仙骨神経
鼠径溝の皮膚分節はS1ではなく「L1」(腸骨鼠径神経・腸骨下腹神経領域)が支配する。S1は下腿外側から足外側・小趾にかけての分節で、鼠径部ではない。
ポイント
  • デルマトーム(皮膚分節)は脊髄神経が体表を帯状に分節支配する領域で、体節発生の名残りである。
  • 覚え方のコツ: 「乳頭=T4、剣状=T7、臍=T10、鼠径=L1」と体幹の4ランドマークを縦に覚える。上肢は「母指C6、中指C7、小指C8」、下肢は「膝L3-L4、母趾L5、小趾S1」。
  • 関連知識: デルマトームは隣接分節とオーバーラップがあるため、単一神経根障害では感覚が完全に脱失せず「減弱」する。帯状疱疹は単一分節に発疹が限局する典型例。
  • よくある間違い: 乳頭をT2と誤る(正しくはT4)/鼠径溝をS1と混同する(正しくはL1)。
  • 臨床応用: 脊髄損傷の運動・感覚レベル判定にデルマトームは必須。頸髄損傷後のASIA scoreではC2-S4/5までの各分節を系統的に評価する。
比較表
体表ランドマーク 脊髄分節
後頭隆起 C2
鎖骨 C4
乳頭 T4
剣状突起部 T6-T7
T10
鼠径溝 L1
膝前面 L3-L4
母趾 L4-L5
小趾・足外側 S1
会陰・肛門周囲 S2-S5
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題31|皮膚の部位と支配する脊髄神経の高さについて正しい組合せはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題31|皮膚の部位と支配する脊髄神経の高さについて正しい組合せはどれか。
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