学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0650

理由で解く 解剖学

Q0650 神経系

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題28
問題
神経叢と分枝する神経との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 頸神経叢 ― 大後頭神経
2 腕神経叢 ― 内側前腕皮神経
3 腰神経叢 ― 外側大腿皮神経
4 仙骨神経叢 ― 後大腿皮神経
解答
正解1(頸神経叢 ― 大後頭神経)
解説
✓ 1. 誤り
頸神経叢 ― 大後頭神経
大後頭神経はC2脊髄神経の「後枝」の皮枝であり、神経叢からは分枝しない。頸神経叢はC1-C4の「前枝」から構成されるため、後枝由来の大後頭神経は頸神経叢の枝ではない。頸神経叢の皮枝は小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・鎖骨上神経であり、頸神経叢の筋枝は頸神経ワナ・横隔神経である。脊髄神経の「前枝=神経叢を形成」「後枝=分節性を保つ」という基本原則を理解していれば、大後頭神経が後枝由来であることから判別できる。
✗ 2.
腕神経叢 ― 内側前腕皮神経
✗ 正しい。 内側前腕皮神経は腕神経叢内側神経束(C8-T1)から分岐する純粋な感覚神経で、前腕内側の皮膚を広く支配する。尺骨神経と伴走することが多く、組合せとして正しい。
✗ 3.
腰神経叢 ― 外側大腿皮神経
✗ 正しい。 外側大腿皮神経(L2-L3)は腰神経叢の枝で、鼠径靭帯下の筋裂孔外側を通って大腿外側の皮膚感覚を担う純粋感覚神経。組合せは正しい。この神経の絞扼によって大腿外側に知覚異常をきたす感覚異常性大腿痛(Meralgia paresthetica)が知られる。
✗ 4.
仙骨神経叢 ― 後大腿皮神経
✗ 正しい。 後大腿皮神経(S1-S3)は仙骨神経叢の枝で、梨状筋下孔を通って殿部下縁から大腿後面に降り、大腿後面と膝窩までの皮膚感覚を担う。坐骨神経と伴走する純粋感覚神経。組合せは正しい。
ポイント
  • 神経叢を形成するのは脊髄神経の「前枝」。後枝は分節性を保ち背筋と背部皮膚を支配する。大後頭神経はC2後枝由来のため神経叢の枝ではない。
  • 覚え方のコツ: 「前枝=神経叢、後枝=背部分節」と覚える。頸神経叢の皮枝は「小後頭・大耳介・頸横・鎖骨上」の4本で固定。
  • 関連知識: C1の後枝は後頭下神経(筋枝のみ)、C2後枝が大後頭神経(皮枝、後頭部)、C3後枝が第3後頭神経となる。後頭部の主要な皮膚感覚を担う。
  • よくある間違い: 大後頭神経を頸神経叢の皮枝と誤る(正しくは後枝)/外側大腿皮神経と大腿神経を混同する。
  • 臨床応用: 大後頭神経の絞扼(大後頭神経痛)は後頭部痛の代表的原因で、上項線レベルで圧痛点を認める。
比較表
神経叢 主な皮枝(感覚神経)
頸神経叢(C1-C4前枝) 小後頭神経・大耳介神経・頸横神経・鎖骨上神経
腕神経叢(C5-T1前枝) 内側上腕皮神経・内側前腕皮神経・外側前腕皮神経(筋皮神経枝)
腰神経叢(T12-L4前枝) 外側大腿皮神経・陰部大腿神経・腸骨下腹神経皮枝・伏在神経(大腿神経枝)
仙骨神経叢(L4-S4前枝) 後大腿皮神経・陰部神経(会陰枝)
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題28|神経叢と分枝する神経との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題28|神経叢と分枝する神経との組合せで誤っているのはどれか。
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