学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0649

理由で解く 解剖学

Q0649 神経系

出典:あマ指 第16回(2008) 問題32
問題
第12胸神経と第1腰神経から起こるのはどれか。
選択肢
1 腸骨下腹神経
2 大腿神経
3 閉鎖神経
4 陰部神経
解答
正解1(腸骨下腹神経)
解説
✓ 1. 正しい
腸骨下腹神経
腸骨下腹神経はT12-L1の前枝を根として腰神経叢から最初に分岐する神経である。腰方形筋前面を下外側へ走り、外腹斜筋と内腹斜筋の間を通って鼠径部近くに達し、下腹部皮膚と内腹斜筋・腹横筋の下部を支配する。T12の肋下神経と合流して発生する点がこの神経の特徴で、腰神経叢でもっとも頭側に位置する枝である。腸骨鼠径神経(L1)と並んで下腹部手術(鼠径ヘルニア根治術など)で損傷を受けやすい。
✗ 2. 誤り
大腿神経
大腿神経はL2-L4の前枝を根とする腰神経叢最大の枝で、T12とL1は根としない。大腿四頭筋・縫工筋・腸腰筋を支配し、伏在神経として下腿・足背内側の感覚を担う。
✗ 3. 誤り
閉鎖神経
閉鎖神経はL2-L4の前枝を根とし、腰神経叢から出て閉鎖管を通り大腿内側へ至る。大腿内転筋群と外閉鎖筋を支配し、大腿内側の皮膚感覚を担う。T12・L1からは起こらない。
✗ 4. 誤り
陰部神経
陰部神経はS2-S4の前枝を根とする仙骨神経叢下部の枝で、会陰・外尿道括約筋・外肛門括約筋を支配する。T12・L1とは別分節で、由来も神経叢も全く異なる。
ポイント
  • 腰神経叢の枝は上から順に、腸骨下腹神経(T12-L1)→腸骨鼠径神経(L1)→陰部大腿神経(L1-L2)→外側大腿皮神経(L2-L3)→大腿神経(L2-L4)→閉鎖神経(L2-L4)。
  • 覚え方のコツ: 「T12+L1=下腹部の2本(腸骨下腹・腸骨鼠径)」とペアで覚え、L2-L4を大腿枝群と区別する。
  • 関連知識: T12の前枝自体は肋下神経と呼ばれ、腰神経叢に合流する移行節。腸骨下腹神経と腸骨鼠径神経は下腹部と鼠径部皮膚の分節支配を担う。
  • よくある間違い: 腸骨下腹神経を単にL1起始と覚える(正しくはT12-L1)/大腿神経をT12・L1起始と誤る。
  • 臨床応用: 鼠径ヘルニア手術や帝王切開では腸骨下腹・腸骨鼠径神経が損傷されやすく、下腹部・鼠径部の感覚障害や神経腫を形成することがある。
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題32|第12胸神経と第1腰神経から起こるのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題32|第12胸神経と第1腰神経から起こるのはどれか。
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