学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ D. 胸郭 / Q0801

理由で解く 解剖学

Q0801 運動器系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題32
問題
胸郭について正しい記述はどれか。
選択肢
1 鎖骨は胸郭の構成に関与する。
2 胸骨の頸切痕は対をなす。
3 胸骨角には第4 肋骨が連結する。
4 胸郭下口は横隔膜の起始部となっている。
解答
正解4(胸郭下口は横隔膜の起始部となっている。)
解説
✗ 1. 誤り
鎖骨は胸郭の構成に関与する。
胸郭は胸椎12個・肋骨12対・胸骨1個の計37個の骨から構成される。鎖骨は上肢帯の骨であり、胸骨と胸鎖関節をなすが胸郭の骨格要素には含まれない。
✗ 2. 誤り
胸骨の頸切痕は対をなす。
頸切痕は胸骨柄上縁正中部の単一のくぼみで、体表では頸窩として触れる。対をなすのは頸切痕の両側にある「鎖骨切痕」(鎖骨との関節面)の方である。
✗ 3. 誤り
胸骨角には第4 肋骨が連結する。
胸骨角(胸骨柄と胸骨体の境)に付くのは第2肋骨(第2肋軟骨)である。体表から胸骨角を触れ、そこを基点に肋骨を数える臨床的ランドマーク。
✓ 4. 正しい
胸郭下口は横隔膜の起始部となっている。
胸郭下口は剣状突起・両側の肋骨弓(第7~10肋軟骨の連結)・第11・12肋骨先端・第12胸椎で囲まれる開口部で、横隔膜の胸骨部・肋骨部・腰椎部の起始部となる。横隔膜はここを起始として上方に向かいドーム状に突出し、中央の腱中心に停止することで胸腔と腹腔を隔てる。横隔膜は頸神経叢から出る横隔神経(C3~5)の支配を受け、吸気の主動筋として働く。
ポイント
  • 胸郭は胸椎12+肋骨12対+胸骨1の計37個で構成され、胸郭下口は横隔膜の起始部となる。
  • 覚え方のコツ: 「上口は通り道(食道・気管)、下口は横隔膜の足場」。上下口で役割が違うと区別。
  • 関連知識: 胸郭上口は第1胸椎・第1肋骨・胸骨柄上縁で囲まれ、食道・気管・総頸動脈・鎖骨下動脈などが通過。胸骨は柄・体・剣状突起の3部構成。
  • よくある間違い: 「鎖骨が胸郭の一部」と誤る。鎖骨は上肢帯の骨で、胸骨と胸鎖関節をなすが胸郭構成骨ではない。
  • 臨床応用: 胸郭出口症候群は胸郭上口部(前斜角筋・中斜角筋・第1肋骨間)で腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫される病態で、上肢のしびれ・だるさを起こす。
比較表
胸郭の部位 構成 機能・特徴
胸郭上口 第1胸椎・第1肋骨・胸骨柄上縁 食道・気管・大血管の通過口
胸骨角 胸骨柄と胸骨体の境 第2肋骨のランドマーク
胸郭側壁 肋骨12対 真肋・仮肋・浮遊肋に分類
胸郭下口 剣状突起・肋骨弓・第12胸椎 横隔膜の起始部
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題32|胸郭について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題32|胸郭について正しい記述はどれか。
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