学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0911

理由で解く 解剖学

Q0911 運動器系

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題21
問題
上腕骨の内側上類に起始するのはどれか。
選択肢
1 腕橈骨筋
2 総指伸筋
3 長掌筋
4 肘筋
解答
正解3(長掌筋)
解説
✗ 1. 誤り
腕橈骨筋
腕橈骨筋は上腕骨の「外側上顆の上方(外側上顆稜)」から起始し、橈骨茎状突起に停止する。橈骨神経支配の前腕屈筋群で、外側上顆よりも上方が起始点となる。
✗ 2. 誤り
総指伸筋
総指伸筋は前腕伸筋群の代表で、上腕骨「外側上顆」から起始し、橈骨神経支配で第2~5指の指背腱膜に停止する。内側上顆ではない。
✓ 3. 正しい
長掌筋
長掌筋は前腕屈筋群の浅層筋で、上腕骨「内側上顆」から起始し、前腕遠位部で屈筋支帯を越え手掌腱膜に停止する。前腕屈筋群の多くは内側上顆から共通腱として起こる(「屈筋総腱」)。正中神経支配で、手関節屈曲と手掌腱膜の緊張を担うが、約10%の人で欠損する変異筋としても知られる。長掌筋腱は手首の正中で皮下に浮き上がり、腱移植術の採取源としても利用される。
✗ 4. 誤り
肘筋
肘筋は上腕骨「外側上顆」から起始し、尺骨肘頭外側面に停止する小さな筋で、橈骨神経支配。肘関節の伸展を補助する。
ポイント
  • 前腕屈筋群(長掌筋など)は上腕骨「内側上顆」、前腕伸筋群(総指伸筋など)は「外側上顆」から起始する。
  • 覚え方のコツ: 「内=屈、外=伸」。内側上顆=正中/尺骨神経支配の屈筋、外側上顆=橈骨神経支配の伸筋、と対で暗記。
  • 関連知識: 内側上顆起始の前腕屈筋群(浅層)は、橈側から円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋・浅指屈筋の5筋。すべて正中神経支配、ただし尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半のみ尺骨神経支配。
  • よくある間違い: 腕橈骨筋や総指伸筋を内側上顆起始と誤認する。これらは外側(伸筋群)である。
  • 臨床応用: 内側上顆炎(ゴルフ肘/野球肘)は前腕屈筋群起始部の炎症、外側上顆炎(テニス肘)は伸筋群起始部の炎症。内側上顆の後面には尺骨神経溝があり、肘部管症候群で尺骨神経障害が起こる。
比較表
起始部位 支配神経
内側上顆(屈筋総腱) 円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋・尺側手根屈筋 正中神経(尺側手根屈筋は尺骨神経)
外側上顆(伸筋総腱) 総指伸筋・尺側手根伸筋・小指伸筋 橈骨神経
外側上顆上方 腕橈骨筋・長橈側手根伸筋 橈骨神経
外側上顆(別起始) 肘筋 橈骨神経
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題21|上腕骨の内側上類に起始するのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題21|上腕骨の内側上類に起始するのはどれか。
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