学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0898

理由で解く 解剖学

Q0898 運動器系

出典:あマ指 第29回(2021) 問題16
問題
胸部の筋で呼気筋はどれか。
選択肢
1 肋骨挙筋
2 外肋間筋
3 内肋間筋
4 横隔膜
解答
正解3(内肋間筋)
解説
✗ 1. 誤り
肋骨挙筋
肋骨挙筋は各胸椎の横突起から起こり1〜2つ下位の肋骨に停止する深胸筋で、肋骨を引き上げて胸郭を広げる「吸気筋」である。外肋間筋と同様の作用をもち、脊髄神経後枝支配(深胸筋中で例外的に後枝支配)。
✗ 2. 誤り
外肋間筋
外肋間筋は肋間隙の最表層筋で、筋束が後上方から前下方へ斜めに走る。肋骨を引き上げて胸郭を広げ息を吸い込む代表的な「吸気筋」で、肋骨挙筋とセットで吸気運動に関わる。肋間神経支配。
✓ 3. 正しい
内肋間筋
内肋間筋は肋間隙の中層筋で、筋束は外肋間筋と交叉するように後下方へ斜めに走り、肋骨を引き下げて胸郭を狭め息を吐き出す「呼気筋」である。肋間神経支配で、その深層に最内肋間筋・肋下筋・胸横筋があり、いずれも呼気筋として働く。外肋間筋との走向の違い(斜めの方向が逆)と作用の逆転がセットで整理しやすい。
✗ 4. 誤り
横隔膜
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる主要な「吸気筋」で、収縮するとドーム状の屋根が下降して胸腔を広げる。横隔神経(C3〜C5)支配で、安静時吸気量の約70%を担う最重要吸気筋であり、呼気筋ではない。
ポイント
  • 呼気筋=内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋。吸気筋=外肋間筋・肋骨挙筋・横隔膜。
  • 覚え方のコツ: 「外肋間筋は外向き(持ち上げる)、内肋間筋は内向き(引き下げる)」と外=吸/内=呼で覚える。筋束の走行も「外は前下方、内は後下方」と逆。
  • 関連知識: 安静呼気は吸気筋弛緩と肺の弾性収縮力で受動的に起こり、内肋間筋は主に努力性呼気(咳・発声など)で働く。深吸気時は胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・前鋸筋などの補助呼吸筋が追加。下後鋸筋も呼気補助筋。
  • よくある間違い: 外肋間筋と内肋間筋を混同する/肋骨挙筋を呼気筋と誤る/横隔膜を呼気筋とする誤り。
  • 臨床応用: COPD(肺気腫等)では呼気が障害され、呼気筋(内肋間筋・腹壁筋)の過剰使用と補助呼吸筋の代償が起こる。横隔神経麻痺では横隔膜麻痺となり呼吸不全をきたす。
比較表
呼吸運動 主動筋 補助筋
吸気 横隔膜、外肋間筋、肋骨挙筋 胸鎖乳突筋、斜角筋、大胸筋、前鋸筋、上後鋸筋
呼気(安静) 受動的(吸気筋の弛緩) -
呼気(努力性) 内肋間筋、最内肋間筋、肋下筋、胸横筋 腹壁筋、下後鋸筋
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題16|胸部の筋で呼気筋はどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題16|胸部の筋で呼気筋はどれか。
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