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理由で解く 解剖学

Q0100 循環器系

出典:あマ指 第29回(2021) 問題17
問題
心臓の収縮運動のペースメーカーはどれか。
選択肢
1 洞房結節
2 プルキンエ線維
3 房室結節
4 房室束
解答
正解1(洞房結節)
解説
✓ 1. 正しい
洞房結節
洞房結節は右心房の上大静脈開口部に位置する特殊心筋線維の網状の集合体である。自動的かつ周期的に興奮を発生する能力(自動能)が最も高く、その興奮リズムがそのまま心臓全体の拍動リズムを決める。このため「ペースメーカー(歩調とり)」と呼ばれ、交感神経刺激でテンポが速まり、迷走神経刺激でテンポが遅くなる調節を受ける。
✗ 2. 誤り
プルキンエ線維
プルキンエ線維は刺激伝導系の終末で、右脚・左脚から分枝して心室の心内膜下を網目状に走り興奮を心室全体に伝える。自動能も持つが、洞房結節に比べて発火頻度が遅いため通常はペースメーカーとならない。
✗ 3. 誤り
房室結節
房室結節は右心房下壁にある特殊心筋の密な塊で、洞房結節からの興奮を中継して心室へ伝える役割を担う。自動能は洞房結節より低く、通常は心拍リズムを決めるペースメーカーにはならない。
✗ 4. 誤り
房室束
房室束(ヒス束)は線維三角を貫通して心房筋と心室筋を電気的に連絡する経路で、興奮の伝達が主役である。これ自体に自動能があっても発火頻度は遅く、ペースメーカーは洞房結節が担う。
ポイント
  • 心臓のペースメーカーは洞房結節(右心房・上大静脈開口部)で、自動能が最も高い。
  • 覚え方のコツ: 洞房結節→房室結節→房室束→プルキンエ線維の順に自動能は低下する。上流ほど速く、下流ほど遅いと覚える。上流が止まれば下流が補充調律(エスケープ)を起こす。
  • 関連知識: 洞房結節の興奮頻度は安静時に毎分60〜80回。房室結節のエスケープは40〜60回、心室のエスケープは30〜40回程度で、階層的にバックアップが働く。
  • よくある間違い: 「ペースメーカー=房室結節・ヒス束」と誤解する。ペースメーカーはあくまで洞房結節で、他は伝導や補充調律を担う下流の装置である。
  • 臨床応用: 洞結節機能の低下(洞不全症候群)や完全房室ブロックでは下位のペースメーカーが心拍を維持するが、拍数が不十分なため失神やAdams-Stokes発作を起こす。人工ペースメーカー植え込みの代表適応である。
比較表
刺激伝導系 自動能(発火頻度目安) 役割
洞房結節 約60〜80/分 本来のペースメーカー
房室結節 約40〜60/分 中継、洞不全時の補充調律
房室束・脚 やや遅い 心房→心室の橋渡し
プルキンエ線維 約30〜40/分 末梢拡散、最終段の補充調律
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題17|心臓の収縮運動のペースメーカーはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題17|心臓の収縮運動のペースメーカーはどれか。
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