学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0142

理由で解く 解剖学

Q0142 循環器系

出典:あマ指 第29回(2021) 問題18
問題
大動脈の最も近位から分枝するのはどれか。
選択肢
1 冠状動脈
2 鎖骨下動脈
3 総頸動脈
4 腕頭動脈
解答
正解1(冠状動脈)
解説
✓ 1. 正しい
冠状動脈
大動脈は左心室出口から起こり、上行大動脈→大動脈弓→胸大動脈→腹大動脈と連続する1本の動脈である。左右の冠状動脈は上行大動脈の基部、大動脈弁直上のバルサルバ洞(大動脈洞)から出るため、大動脈全体で「最も近位」の分枝となる。この近位起始により、拡張期に大動脈弁が閉鎖すると冠状動脈起始部に十分な灌流圧がかかる仕組みが形成される。
✗ 2. 誤り
鎖骨下動脈
左鎖骨下動脈は大動脈弓の第3枝(最後の分枝)として起こり、右鎖骨下動脈は腕頭動脈の分枝として二次的に生じる。いずれも上行大動脈の冠状動脈より遠位である。
✗ 3. 誤り
総頸動脈
左総頸動脈は大動脈弓の第2枝、右総頸動脈は腕頭動脈の分枝で、いずれも大動脈弓の高さで起こる。冠状動脈(上行大動脈基部)より遠位である。
✗ 4. 誤り
腕頭動脈
腕頭動脈は大動脈弓の第1枝(大動脈弓からの最初の分枝)として右側に起こる太い動脈で、右鎖骨下動脈と右総頸動脈に分かれる。大動脈弓の中では最も近位だが、大動脈全体でみれば冠状動脈よりも遠位である。
ポイント
  • 大動脈全体の分枝順は近位から「冠状動脈(上行)→腕頭・左総頸・左鎖骨下(弓)→肋間・気管支・食道(胸大)→腹腔・上下腸間膜・腎・性腺・腰(腹大)→総腸骨」。
  • 覚え方のコツ: 「心臓が最優先」:心筋灌流のため冠状動脈が最近位にある。
  • 関連知識: 冠状動脈は拡張期に主に灌流される。心収縮期には心筋内圧により血流が一時的に遮断されるため、頻脈は冠灌流時間を短縮し虚血を誘発する。
  • よくある間違い: 「腕頭動脈が最近位」と誤答。腕頭動脈は大動脈弓内では第1枝だが、大動脈全体では冠状動脈より遠位。
  • 臨床応用: 急性冠症候群(心筋梗塞)では冠状動脈の閉塞部位(左前下行枝・回旋枝・右冠状動脈)により障害心筋領域と心電図変化パターンが異なる。
比較表
大動脈区分 分枝(近位→遠位)
上行大動脈 左右冠状動脈(バルサルバ洞から)
大動脈弓 腕頭動脈→左総頸動脈→左鎖骨下動脈
胸大動脈 肋間動脈、気管支動脈、食道動脈、上横隔動脈
腹大動脈 腹腔動脈→上腸間膜動脈→腎・性腺動脈→下腸間膜動脈→腰動脈
終末 左右総腸骨動脈(L4)+正中仙骨動脈
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題18|大動脈の最も近位から分枝するのはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題18|大動脈の最も近位から分枝するのはどれか。
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