学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0895

理由で解く 解剖学

Q0895 運動器系

出典:あマ指 第27回(2019) 問題19
問題
胸部の筋について正しいのはどれか。
選択肢
1 大胸筋は小結節稜に停止する。
2 鎖骨下筋は第1 肋骨から起始する。
3 前鋸筋は胸背神経支配である。
4 内肋間筋は吸気筋である。
解答
正解2(鎖骨下筋は第1 肋骨から起始する。)
解説
✗ 1. 誤り
大胸筋は小結節稜に停止する。
大胸筋は上腕骨の「大結節稜」に停止する。小結節稜に停止するのは広背筋と大円筋の2筋。大胸筋は鎖骨部・胸肋部・腹部の3部から起こり、内側・外側胸筋神経支配で上腕の内転・内旋・屈曲に働く。
✓ 2. 正しい
鎖骨下筋は第1 肋骨から起始する。
鎖骨下筋は第1肋骨および第1肋軟骨の上面から起こり、鎖骨下面(外側1/3付近の鎖骨下筋溝)に停止する浅胸筋である。鎖骨下神経(腕神経叢)支配で、鎖骨を下方・内方に引き胸鎖関節を安定させ、肩の挙上を補助する。鎖骨と第1肋骨の間で鎖骨下動静脈を保護する役割も担う。
✗ 3. 誤り
前鋸筋は胸背神経支配である。
前鋸筋の支配神経は「長胸神経(C5〜C7)」である。胸背神経は広背筋の支配神経で対象が異なる。長胸神経麻痺では前鋸筋が麻痺し、上肢を前方挙上した時に肩甲骨内側縁が背部から浮き上がる翼状肩甲が出現する。
✗ 4. 誤り
内肋間筋は吸気筋である。
内肋間筋は肋骨を引き下げて胸郭を狭め、息を吐き出す「呼気筋」である。外肋間筋(および肋骨挙筋)は肋骨を引き上げる吸気筋であり、内肋間筋と作用が逆。最内肋間筋・肋下筋・胸横筋も同様に呼気筋として働く。
ポイント
  • 鎖骨下筋は第1肋骨・肋軟骨起始、鎖骨下面停止、鎖骨下神経支配の小さい浅胸筋。
  • 覚え方のコツ: 「浅胸筋4つ=大胸筋・小胸筋・鎖骨下筋・前鋸筋」/「深胸筋=肋間筋・肋下筋・胸横筋・肋骨挙筋」/「横隔膜は独立した呼吸筋」。
  • 関連知識: 呼吸筋整理:吸気筋=外肋間筋・肋骨挙筋・横隔膜/呼気筋=内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋。安静呼気は吸気筋弛緩で受動的、努力性呼気で呼気筋と腹壁筋が働く。
  • よくある間違い: 大胸筋を小結節稜と誤る/前鋸筋を胸背神経支配と誤る(胸背神経は広背筋)/内肋間筋を吸気筋と混同する。
  • 臨床応用: 長胸神経麻痺(前鋸筋)で翼状肩甲。胸郭出口症候群では小胸筋・斜角筋・第1肋骨付近で腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫される。肋間神経痛は帯状疱疹の好発部位。
比較表
胸部筋分類 神経 作用
浅胸筋 大胸筋 内側・外側胸筋神経 上腕の内転・内旋・屈曲
浅胸筋 小胸筋 内側・外側胸筋神経 肩甲骨を前下方へ
浅胸筋 鎖骨下筋 鎖骨下神経 鎖骨を下内方へ
浅胸筋 前鋸筋 長胸神経 肩甲骨を前方へ・下角回旋
深胸筋 外肋間筋 肋間神経 吸気筋
深胸筋 内肋間筋 肋間神経 呼気筋
独立 横隔膜 横隔神経(C3〜5) 主要吸気筋
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題19|胸部の筋について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題19|胸部の筋について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手