学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0894

理由で解く 解剖学

Q0894 運動器系

出典:あマ指 第25回(2017) 問題18
問題
腱膜をもつのはどれか。
選択肢
1 広背筋
2 大円筋
3 前鋸筋
4 大菱形筋
解答
正解1(広背筋)
解説
✓ 1. 正しい
広背筋
広背筋は背中から腰にかけて広がる三角形の大きな板状筋で、起始部に広大な腱膜(広背筋腱膜・腰背腱膜)を有する。この起始腱膜は胸腰筋膜と癒合して腰背部を覆い、下位胸椎〜腰椎の棘突起・腸骨稜などから起こる。教科書でも「腱が広い腱膜状になる」筋の代表例として、外腹斜筋とともに広背筋が挙げられる。
✗ 2. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角の背面から起こり、短い腱で上腕骨小結節稜に停止する筋で、広い腱膜は形成しない。広背筋の腱と合して停止するが、それ自体は通常の紡錘形〜円柱形の筋で、腱膜は持たない。
✗ 3. 誤り
前鋸筋
前鋸筋は第1〜9肋骨の外側面から起こり、鋸歯状の筋束をつくって肩甲骨内側縁に停止する。起始が鋸の歯状に分かれるのが特徴だが、広い停止腱膜は形成せず、筋束が直接付着する。
✗ 4. 誤り
大菱形筋
大菱形筋は第1〜4胸椎棘突起から起こり、肩甲骨内側縁に停止する菱形の筋で、腱膜状の構造は持たない。小菱形筋とともに肩甲骨を内上方に引く働きをする肩甲背神経支配の筋。
ポイント
  • 広背筋は広大な起始腱膜(胸腰筋膜と癒合した腰背腱膜)をもつ板状筋で、教科書で腱膜の代表例として挙げられる。
  • 覚え方のコツ: 「広背筋=広い腱膜」「外腹斜筋=広い停止腱膜(腹直筋鞘前葉へ)」と、広い筋体=広い腱膜とセットで覚える。
  • 関連知識: 腱の様式:①細長い紐状腱(体肢筋の多く)、②広い腱膜(広背筋・外腹斜筋)、③多数の細い束(三角筋)、④皮膚付着(表情筋)。三角筋は腱膜でなく多数の細い腱束で付着。
  • よくある間違い: 前鋸筋の鋸歯状起始を「腱膜」と混同/大円筋を広背筋と同種の腱膜筋と誤る/僧帽筋上部の起始腱(腱鏡)とその他の広大な腱膜を混同する。
  • 臨床応用: 腰背腱膜は胸腰筋膜と合して腰部の重要な支持構造をなし、腰痛・筋膜性腰痛症の病態(胸腰筋膜の硬結)に関与する。鍼灸治療で広範な施術対象となる。
比較表
付着様式
広背筋 広大な起始腱膜(腰背腱膜・胸腰筋膜と癒合)
外腹斜筋 広い停止腱膜(腹直筋鞘前葉、下縁は鼠径靭帯)
三角筋 多数の細い腱束(腱膜ではない)
大円筋 短い腱で小結節稜に停止
前鋸筋 鋸歯状起始(腱膜ではない)
菱形筋 短い腱で肩甲骨内側縁に停止
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題18|腱膜をもつのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題18|腱膜をもつのはどれか。
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