学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0884

理由で解く 解剖学

Q0884 運動器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題16
問題
肩甲骨上角に付着するのはどれか。
選択肢
1 板状筋
2 肩甲挙筋
3 小菱形筋
4 大菱形筋
解答
正解2(肩甲挙筋)
解説
✗ 1. 誤り
板状筋
板状筋は側頭骨乳様突起および第1〜2頸椎横突起・上項線の外側部に停止する固有背筋で、肩甲骨には付着しない。
✓ 2. 正しい
肩甲挙筋
肩甲挙筋は第1〜4頸椎横突起から起こり、肩甲骨上角および肩甲骨内側縁の上部に停止する。支配神経は肩甲背神経(C5)で、肩甲骨を上内方に引き挙げる(肩をすくめる動作に関与)。また肩甲骨を固定した状態で一側のみ収縮すると頸椎を同側に側屈する。浅背筋のうち唯一頸椎の「横突起」起始である点と、肩甲骨「上角」への停止が特徴であり、肩甲骨内側縁(主部)に停止する菱形筋とは停止位置で区別される。後頸三角の底部を斜走する筋として局所解剖上も重要。
✗ 3. 誤り
小菱形筋
小菱形筋は第6・7頸椎棘突起から起こり、肩甲骨内側縁(肩甲棘の高さ)に停止する。肩甲骨の上角ではなく内側縁の上部〜中部に付着する。
✗ 4. 誤り
大菱形筋
大菱形筋は第1〜4胸椎棘突起から起こり、肩甲骨内側縁(肩甲棘より下方)に停止する。肩甲骨上角ではなく内側縁中部〜下部に付着する。
ポイント
  • 肩甲骨上角に停止するのは「肩甲挙筋」(C1〜4頸椎横突起起始)のみ。
  • 覚え方のコツ: 肩甲挙筋=「肩甲骨を挙げる」筋。上角(肩甲骨の最上端)を引き上げるから上角停止と理解。
  • 関連知識: 肩甲骨の各部位への付着:上角=肩甲挙筋、内側縁=小・大菱形筋、下角=広背筋の一部、棘上窩=棘上筋、棘下窩=棘下筋、肩甲下窩=肩甲下筋、烏口突起=小胸筋・上腕二頭筋短頭・烏口腕筋。
  • よくある間違い: 菱形筋(小・大)を肩甲骨上角に付着と誤る/板状筋が肩甲骨に関与すると誤解。
  • 臨床応用: 肩甲挙筋の過緊張は肩こり・頸肩部痛の主要原因。鍼灸治療では肩井・天髎・肩外兪などで肩甲挙筋のトリガーポイントを狙う。肩甲背神経麻痺では肩甲骨の上内方挙上困難を生じる。
比較表
肩甲骨の部位 付着する筋
上角 肩甲挙筋
内側縁(上部) 小菱形筋
内側縁(下部) 大菱形筋・前鋸筋
下角 広背筋(一部)・前鋸筋
肩甲棘・肩峰 僧帽筋・三角筋
棘上窩・棘下窩 棘上筋・棘下筋
肩甲下窩 肩甲下筋
烏口突起 小胸筋・上腕二頭筋短頭・烏口腕筋
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題16|肩甲骨上角に付着するのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題16|肩甲骨上角に付着するのはどれか。
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