学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0880

理由で解く 解剖学

Q0880 運動器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題22
問題
安静吸気時に働くのはどれか。
選択肢
1 外肋間筋
2 胸横筋
3 肋下筋
4 内肋間筋
解答
正解1(外肋間筋)
解説
✓ 1. 正しい
外肋間筋
外肋間筋は肋間隙の最表層にある筋で、上位肋骨の下縁から起こり下位肋骨の上縁に斜め前下方に向かって走る。肋間神経支配で、収縮すると肋骨を引き上げ胸郭を広げるため、横隔膜とともに安静吸気時に働く主要吸気筋である。安静吸気では外肋間筋による肋骨挙上と横隔膜の下方収縮によって胸腔が拡大し、受動的な弛緩で呼気が行われる。深吸気時にはさらに胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・前鋸筋などの吸気補助筋が動員される。
✗ 2. 誤り
胸横筋
胸横筋は胸郭前内面にある深胸筋で、胸骨内面から肋軟骨内面に向かう呼気筋である。肋骨を引き下げて胸郭を狭めるため、吸気ではなく呼気に関与する。
✗ 3. 誤り
肋下筋
肋下筋は胸郭後壁内面にある最内肋間筋の分束で、第2〜3肋間にまたがる筋である。肋骨を引き下げて胸郭を狭める呼気筋である。
✗ 4. 誤り
内肋間筋
内肋間筋は肋間隙の中層筋で筋束は後下方へ斜めに走り、肋骨を引き下げて胸郭を狭めるため呼気筋として働く。ただし呼気は安静時には弛緩のみで行われ、内肋間筋は努力呼気時に主に働く。
ポイント
  • 安静吸気:外肋間筋+横隔膜。安静呼気:吸気筋の弛緩(受動的)。努力呼気:内肋間筋+腹壁筋。
  • 覚え方のコツ: 「外=外向きに広がる=吸気」「内=内向きに狭める=呼気」。最内肋間筋・肋下筋・胸横筋も内肋間筋と同じく呼気筋。
  • 関連知識: 肋間筋は外→内→最内の3層構造で、神経血管束(肋間神経・動・静脈)は内肋間筋と最内肋間筋の間を走る。肋骨挙筋は外肋間筋と同じく吸気作用をもち胸神経後枝支配。
  • よくある間違い: 「安静呼気で内肋間筋が働く」と誤解(安静呼気は受動的)/胸横筋を吸気筋と誤認。
  • 臨床応用: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)では努力呼気が必要となり内肋間筋・腹壁筋を動員、吸気補助筋(胸鎖乳突筋・斜角筋)も常時活動して「樽状胸郭」を形成。呼吸リハでは横隔膜呼吸訓練が基本。
比較表
呼吸相 主要筋 動作
安静吸気 横隔膜・外肋間筋 胸腔拡大(下降+肋骨挙上)
安静呼気 筋活動なし(弛緩) 肺・胸郭の弾性反動
努力吸気 +胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・前鋸筋 胸郭最大拡大
努力呼気 内肋間筋・腹直筋・側腹筋・胸横筋・肋下筋 胸郭縮小・横隔膜挙上
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題22|安静吸気時に働くのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題22|安静吸気時に働くのはどれか。
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