学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1069

理由で解く 解剖学

Q1069 運動器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題21
問題
頸動脈三角を構成しないのはどれか。
選択肢
1 顎二腹筋
2 胸鎖乳突筋
3 茎突舌骨筋
4 肩甲舌骨筋
解答
正解3(茎突舌骨筋)
解説
✗ 1.
顎二腹筋
✗ 正しい。 顎二腹筋後腹は頸動脈三角の「上縁」を形成する。乳様突起内側から起こる後腹は舌骨上方へ斜めに走り、中間腱を介して前腹に連続する。
✗ 2.
胸鎖乳突筋
✗ 正しい。 胸鎖乳突筋前縁は頸動脈三角の「後縁」を形成する。前頸三角全体(胸鎖乳突筋より内側)の外側境界でもあり、頸部触診の重要な目印となる。
✓ 3. 誤り
茎突舌骨筋
茎突舌骨筋は側頭骨茎状突起から起こり舌骨小角に停止する細長い舌骨上筋の一つで、顎二腹筋後腹のすぐ内側を並走するが、頸動脈三角の境界には直接は関与しない。頸動脈三角の三辺は「顎二腹筋後腹(上縁)/胸鎖乳突筋前縁(後縁)/肩甲舌骨筋上腹(下縁)」の3筋で構成され、茎突舌骨筋はその内部の目印にはなるが境界を成さない。茎突舌骨筋は顔面神経(茎乳突孔を出た直後の枝)に支配され、舌骨を後上方に引き上げて嚥下運動に寄与する。
✗ 4.
肩甲舌骨筋
✗ 正しい。 肩甲舌骨筋上腹は頸動脈三角の「下縁」を形成する。肩甲骨上縁(肩甲切痕近く)から起こり中間腱を介して舌骨に停止する舌骨下筋群の一つで、外側頸三角を斜めに横切る特徴的な筋である。
ポイント
  • 頸動脈三角は「顎二腹筋後腹(上縁)/胸鎖乳突筋前縁(後縁)/肩甲舌骨筋上腹(下縁)」の3筋で囲まれる。茎突舌骨筋は無関係。
  • 覚え方のコツ: 「二+胸+肩」で囲む=顎二腹・胸鎖乳突・肩甲舌骨。舌骨上筋の茎突舌骨筋はダミー。
  • 関連知識: 頸動脈三角内で総頸動脈が内・外頸動脈に分岐(C4付近)。内頸静脈・迷走神経も頸動脈鞘内にあり、頸神経ワナが外表に見える。
  • よくある間違い: 「舌骨」の字が入る筋を三角の境界すべてと誤認(肩甲舌骨筋は正しいが、茎突舌骨筋は違う)。
  • 臨床応用: 頸動脈内膜剥離術や頸動脈エコー検査の標準的アプローチ部位。頸動脈三角での圧迫で迷走神経反射(頸動脈洞反射)が誘発される。
比較表
三角 上縁/前縁 後(外)縁 下縁
顎下三角 下顎骨下縁 顎二腹筋後腹 顎二腹筋前腹
頸動脈三角 顎二腹筋後腹 胸鎖乳突筋前縁 肩甲舌骨筋上腹
筋三角 肩甲舌骨筋上腹 胸鎖乳突筋前縁 正中線
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題21|頸動脈三角を構成しないのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題21|頸動脈三角を構成しないのはどれか。
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