学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0878

理由で解く 解剖学

Q0878 運動器系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題23
問題
椎骨の棘突起に付着しない筋はどれか。
選択肢
1 肩甲挙筋
2 頭板状筋
3 広背筋
4 大菱形筋
解答
正解1(肩甲挙筋)
解説
✓ 1. 正しい
肩甲挙筋
肩甲挙筋は第1〜4頸椎の「横突起」から起こり、肩甲骨上角・肩甲骨内側縁上部に停止する。起始は横突起であり、棘突起には付着しない。浅背筋の一つで、肩甲背神経(C5)支配で肩甲骨を上内方に引く。他の浅背筋(僧帽筋・広背筋・菱形筋)がすべて棘突起に起始するのに対し、肩甲挙筋のみ横突起起始である点が区別のポイントとなる。
✗ 2. 誤り
頭板状筋
頭板状筋は下位頸椎(第4〜7頸椎)および上位胸椎(第1〜5胸椎)の「棘突起」および項靱帯から起こり、側頭骨乳様突起と上項線の外側部に停止する。棘突起起始の典型筋。
✗ 3. 誤り
広背筋
広背筋は第7胸椎以下の胸椎・腰椎・仙骨の「棘突起」、腸骨稜、下位(第9〜12)肋骨、肩甲骨下角から起こり、上腕骨小結節稜に停止する。広範囲の棘突起に付着する代表筋。
✗ 4. 誤り
大菱形筋
大菱形筋は第1〜4胸椎の「棘突起」から起こり、肩甲骨内側縁に停止する。小菱形筋(第6・7頸椎棘突起起始)とともに棘突起起始の浅背筋。
ポイント
  • 肩甲挙筋は浅背筋で唯一「頸椎横突起」起始(第1〜4頸椎)。他の浅背筋は棘突起起始。
  • 覚え方のコツ: 浅背筋4筋のうち「僧帽・広背・菱形」は棘突起、「肩甲挙筋」のみ横突起。横突起=横にでっぱり、「肩甲挙げるのは横から引っ張る」と連想。
  • 関連知識: 肩甲挙筋は後頸三角の底部を斜走し、胸鎖乳突筋後縁から肩甲骨上角に至る。頸椎症・肩こりで緊張しやすく、僧帽筋とともに肩甲骨挙上に働く。
  • よくある間違い: 肩甲挙筋の起始を「頸椎棘突起」と誤る/小菱形筋(C6〜C7棘突起起始)との混同。
  • 臨床応用: 肩甲挙筋は肩こり(僧帽筋上部と並び)の主要責任筋で、鍼灸では天髎・肩井・肩外兪などで治療。肩甲背神経絞扼症候群では肩甲挙筋・菱形筋の脱力を生じる。
比較表
浅背筋 起始 停止 支配神経
僧帽筋 外後頭隆起・項靱帯・全胸椎+C7棘突起 肩甲棘・肩峰・鎖骨外側1/3 副神経+C2〜4
広背筋 T7以下棘突起・腸骨稜・下位肋骨・肩甲骨下角 上腕骨小結節稜 胸背神経(C6〜8)
肩甲挙筋 第1〜4頸椎横突起 肩甲骨上角・内側縁上部 肩甲背神経(C5)
小菱形筋 第6・7頸椎棘突起 肩甲骨内側縁 肩甲背神経(C5)
大菱形筋 第1〜4胸椎棘突起 肩甲骨内側縁 肩甲背神経(C5)
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題23|椎骨の棘突起に付着しない筋はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題23|椎骨の棘突起に付着しない筋はどれか。
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