学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0876

理由で解く 解剖学

Q0876 運動器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題32
問題
副神経が分布する筋はどれか。
選択肢
1 肋間筋
2 広頸筋
3 僧帽筋
4 大胸筋
解答
正解3(僧帽筋)
解説
✗ 1. 誤り
肋間筋
外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋などの肋間筋は、胸神経前枝である肋間神経の支配を受ける。副神経の支配ではない。
✗ 2. 誤り
広頸筋
広頸筋は頸部前面の皮筋で、顔面神経(第Ⅶ脳神経)の頸枝の支配を受ける。表情筋の仲間に分類され、副神経は関与しない。
✓ 3. 正しい
僧帽筋
僧帽筋は副神経(第Ⅺ脳神経)を主な支配神経とし、第2〜4頸神経の前枝が加わる二重神経支配を受ける。副神経は頸静脈孔から出て後頸三角の浅層を斜めに横切り、胸鎖乳突筋と僧帽筋の2筋に運動線維を分布する運動性脳神経である。これら2筋は同じ筋母体から発生した兄弟筋と考えられ、いずれも副神経支配となる。僧帽筋は外後頭隆起・項靱帯・全胸椎棘突起から起こり、肩甲棘・肩峰・鎖骨外側1/3に停止し、肩甲骨の挙上・内転・下制回旋を行う。
✗ 4. 誤り
大胸筋
大胸筋は腕神経叢から起こる内側胸筋神経・外側胸筋神経(C5〜T1)に支配される。副神経の支配ではない。
ポイント
  • 副神経(第Ⅺ脳神経)は運動性脳神経で、胸鎖乳突筋と僧帽筋の2筋のみを支配する。
  • 覚え方のコツ: 副神経支配は「きょうさ+そうぼう」の2筋のみ。頸静脈孔を出て後頸三角を斜行。
  • 関連知識: 頸静脈孔を通る脳神経は舌咽(Ⅸ)・迷走(Ⅹ)・副(Ⅺ)の3本。副神経は延髄根+脊髄根で構成され、脊髄根由来の外枝が胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配する。
  • よくある間違い: 僧帽筋を頸神経のみの支配と誤解/胸鎖乳突筋への副神経関与を見落とす。広頸筋と胸鎖乳突筋は名前は似るが別神経支配(広頸筋は顔面神経)。
  • 臨床応用: 副神経麻痺(頸部リンパ節生検や郭清術の合併症)では、僧帽筋麻痺による翼状肩甲・肩下垂、胸鎖乳突筋麻痺による頭部回旋障害を起こす。
比較表
筋名 支配神経 作用
僧帽筋 副神経+頸神経叢(C2〜4) 肩甲骨挙上・内転・回旋
胸鎖乳突筋 副神経+頸神経叢(C2〜3) 頭部回旋・側屈・屈曲
広頸筋 顔面神経(頸枝) 頸部の皮膚を緊張
肋間筋 肋間神経 呼吸運動
大胸筋 内側・外側胸筋神経 肩関節内転・内旋・屈曲
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題32|副神経が分布する筋はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題32|副神経が分布する筋はどれか。
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