学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0875

理由で解く 解剖学

Q0875 運動器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題19
問題
肩関節の外旋筋はどれか。
選択肢
1 大胸筋
2 広背筋
3 大円筋
4 小円筋
解答
正解4(小円筋)
解説
✗ 1. 誤り
大胸筋
大胸筋は前胸壁にある扇状の筋で、上腕骨大結節稜に停止し、肩関節の屈曲・内転・内旋を行う。外旋作用はなく、むしろ強力な内旋筋に分類される。
✗ 2. 誤り
広背筋
広背筋は背部から上腕骨小結節稜に至る筋で、肩関節の内転・内旋・伸展(後方への引き下げ)を行う。外旋ではなく内旋筋に属する。
✗ 3. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角の背面から起こり上腕骨小結節稜に停止し、肩関節の内転・内旋・伸展を行う。停止が小円筋と近接するが、小結節稜に停止する点と作用(内旋)で小円筋と区別される。
✓ 4. 正しい
小円筋
小円筋は肩甲骨外側縁の上部背面から起こり上腕骨大結節(下部)に停止する回旋筋腱板(ローテーターカフ)の1筋で、肩関節の外旋および内転に働く。ローテーターカフは棘上筋(外転)・棘下筋(外旋)・小円筋(外旋)・肩甲下筋(内旋)の4筋からなり、このうち外旋作用をもつのは棘下筋と小円筋である。支配神経は腋窩神経で、棘下筋(肩甲上神経支配)とは異なる。大円筋と名前が似ているが大円筋は内旋筋であり、小円筋のみ回旋筋腱板に属する点が国試頻出。
ポイント
  • 肩関節の外旋筋は棘下筋と小円筋の2つで、いずれも上腕骨大結節に停止する回旋筋腱板の構成筋。
  • 覚え方のコツ: ローテーターカフ「SITS」=棘上(Supraspinatus)・棘下(Infraspinatus)・小円(Teres minor)・肩甲下(Subscapularis)。外旋は棘下+小円の2つ。
  • 関連知識: 大円筋は内旋・内転(広背筋と同じ作用)、小円筋は外旋で、「大=内旋、小=外旋」と真逆の作用を持つ紛らわしいペア。支配神経も大円筋=肩甲下神経、小円筋=腋窩神経と異なる。
  • よくある間違い: 大円筋と小円筋を同じ作用と思い込む/小円筋を内旋筋と誤認。棘下筋と小円筋が外旋、肩甲下筋が内旋と整理する。
  • 臨床応用: 回旋筋腱板(特に棘上筋)は加齢で断裂しやすく、腱板損傷は肩関節痛・可動域制限の代表疾患。鍼灸治療では肩髃・臑兪・天宗など腱板周囲の経穴を用いる。
比較表
ローテーターカフ筋 起始 停止 主作用 支配神経
棘上筋 棘上窩 大結節(上) 外転(始動) 肩甲上神経
棘下筋 棘下窩 大結節(中) 外旋 肩甲上神経
小円筋 肩甲骨外側縁 大結節(下) 外旋・内転 腋窩神経
肩甲下筋 肩甲下窩 小結節 内旋 肩甲下神経
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題19|肩関節の外旋筋はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題19|肩関節の外旋筋はどれか。
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