学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ A. 鼻腔・副鼻腔 / Q0203

理由で解く 解剖学

Q0203 呼吸器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題20
問題
下鼻道に開口するのはどれか。
選択肢
1 上顎洞
2 篩骨洞
3 鼻涙管
4 耳管
解答
正解3(鼻涙管)
解説
✗ 1. 誤り
上顎洞
上顎洞は中鼻道外側壁の半月裂孔を介して鼻腔と交通する副鼻腔で、下鼻道には開口しない。上顎骨体の内部にある最大の副鼻腔であり、開口部が洞の上方にあるため膿汁が貯留しやすい。
✗ 2. 誤り
篩骨洞
篩骨洞は篩骨迷路内の多数の小蜂巣の集まりで、前篩骨蜂巣・中篩骨蜂巣は中鼻道、後篩骨蜂巣は上鼻道に開口する。いずれも下鼻道には開口しない。
✓ 3. 正しい
鼻涙管
鼻涙管は眼窩内側の涙嚢から始まり、上顎骨の鼻涙管内を下降して下鼻道の前部に開口する。これは副鼻腔ではなく、結膜嚢で産生された涙液を鼻腔に導くための管で、泣いた時に鼻水が出るのはこの経路で涙液が流れ込むためである。下鼻道に開口する唯一の構造物が鼻涙管であり、副鼻腔は全て下鼻道には開口しない点が本問の最大のポイントとなる。高齢者では加齢や慢性炎症で鼻涙管が閉塞し、流涙症の原因となる。
✗ 4. 誤り
耳管
耳管は中耳の鼓室と咽頭鼻部(上咽頭)を結ぶ管で、耳管咽頭口として上咽頭側壁に開口する。鼻腔内の鼻道に開口する構造ではなく、下鼻道への開口もない。
ポイント
  • 下鼻道に開口する唯一の構造物は鼻涙管であり、副鼻腔は下鼻道には開口しない。
  • 覚え方のコツ: 「涙は下に流れる」→鼻涙管は下鼻道、と重力方向で覚える。副鼻腔は「中・上・蝶」で下がない。
  • 関連知識: 鼻涙管は眼窩の涙嚢→鼻涙管(上顎骨内)→下鼻道前部という経路をたどる。結膜→涙点→涙小管→涙嚢→鼻涙管の全経路が涙液路を構成する。
  • よくある間違い: 「上顎洞は顔の下にあるから下鼻道」と位置から類推すると誤る。開口部は洞の上方にあり中鼻道に開く。
  • 臨床応用: 鼻涙管閉塞では涙液が鼻へ流れず、常に流涙する(流涙症)。高齢女性に多く、ブジー通水法や涙嚢鼻腔吻合術(DCR)で治療する。
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題20|下鼻道に開口するのはどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題20|下鼻道に開口するのはどれか。
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