
この図の解説
この図は右寛骨を後方から見たもので、寛骨後面の2つの通路と、そこを走る筋を対比させている。右上で赤く染まった太い筋が梨状筋で、仙骨前面から起こり大坐骨孔を貫いて外側の大転子に向かう。大坐骨孔は大坐骨切痕と仙結節靱帯・仙棘靱帯で縁取られ、梨状筋がほとんどふさぐため、残る隙間が上縁の梨状筋上孔・下縁の梨状筋下孔となる。図の下方で坐骨結節付近から出て小坐骨孔をくぐり大転子へ回り込む筋が内閉鎖筋である。内閉鎖筋は骨盤内の閉鎖膜内面から起こり、その停止腱だけが小坐骨孔を通って外へ出る点を確認したい。仙棘靱帯・仙結節靱帯の2本の靱帯が大坐骨切痕と小坐骨切痕を「孔」に変える働きをしていることが、この図の要である。
学習の要点
- 大坐骨孔=大坐骨切痕+仙結節靱帯・仙棘靱帯。梨状筋が貫通し、上下の隙間が梨状筋上孔・梨状筋下孔になる。
- 覚え方のコツ: 上孔は「上殿神経・上殿動静脈だけ」、下孔は「下殿・坐骨・後大腿皮・陰部+下殿/内陰部の血管」と数で対比する。上が少なく下が多い。
- 関連知識: 梨状筋も内閉鎖筋も股関節の外旋筋で、支配は仙骨神経叢。梨状筋・内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋は大腿骨頭を寛骨臼へ密着させ股関節を安定化させる。
- よくある間違い: 内閉鎖筋は小坐骨孔を「通る」が骨盤内の閉鎖膜内面が起始。孔を通るのは停止腱のみで、起始が坐骨孔にあるわけではない。
- 臨床応用: 梨状筋下孔で坐骨神経が絞扼されると殿部から下肢後面に痛みが出る(梨状筋症候群)。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
大坐骨切痕と小坐骨切痕を、それぞれ大坐骨孔・小坐骨孔という「孔」に変えているのは、仙結節靱帯と( )の2本の靱帯である。空欄に入る靱帯名を答えよ。
答えを見る
答え: 仙棘靱帯
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。