学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0869

理由で解く 解剖学

Q0869 運動器系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題18
問題
筋とその起始または停止との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 僧帽筋 ― 肩甲棘
2 腰方形筋 ― 腸骨稜
3 上腕三頭筋 ― 肘頭
4 大殿筋 ― 大転子
解答
正解4(大殿筋 ― 大転子)
解説
✗ 1.
僧帽筋 ― 肩甲棘
✗ 正しい。 僧帽筋は外後頭隆起・項靱帯・第7頸椎および全胸椎の棘突起から起こり、鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘に停止する。肩甲棘は僧帽筋中部・下部線維の停止部として正しく、組合せは成立する。
✗ 2.
腰方形筋 ― 腸骨稜
✗ 正しい。 腰方形筋は後腹壁を構成する長方形の扁平筋で、腸骨稜から起こり第12肋骨および第1〜4腰椎の肋骨突起に停止する。腸骨稜は起始部として正しい。
✗ 3.
上腕三頭筋 ― 肘頭
✗ 正しい。 上腕三頭筋は長頭(肩甲骨関節下結節)と内側頭・外側頭(上腕骨後面)から起こり、共同腱となって尺骨の肘頭に停止する。肘頭への停止は古典的な組合せで正答には該当しない。
✓ 4. 誤り
大殿筋 ― 大転子
大殿筋は腸骨・仙骨・尾骨の後面および仙結節靱帯から起こり、大腿骨の殿筋粗面および腸脛靱帯に停止する筋であって、大転子には停止しない。大転子に停止するのは中殿筋・小殿筋・梨状筋・上下双子筋・内閉鎖筋などの外旋筋群であり、大殿筋と大転子の組合せは誤りである。この問題は殿筋群の停止部位を識別できるかを問う典型問題で、臨床では大転子部の筋腱付着部を触診する際の基礎知識となる。
ポイント
  • 大殿筋の停止は大腿骨の殿筋粗面と腸脛靱帯であり、大転子には停止しない。大転子に停止するのは中殿筋・小殿筋・梨状筋など外旋筋群。
  • 覚え方のコツ: 「大転子=外旋筋の集合場所」。大転子に停止する筋は中殿筋・小殿筋・梨状筋・上下双子筋・内閉鎖筋、大殿筋は「殿筋粗面+腸脛靱帯」と区別して暗記。
  • 関連知識: 僧帽筋は鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘の3部位に停止。上腕三頭筋は肘頭に停止し肘関節伸展を担う。腰方形筋は腸骨稜から第12肋骨へ走る。
  • よくある間違い: 大殿筋と中殿筋を混同する/「殿筋は大転子に停止する」と一括りにして誤答する。大殿筋だけは殿筋粗面+腸脛靱帯への停止である点に注意。
  • 臨床応用: 大転子滑液包炎(転子部痛症候群)では中殿筋・小殿筋の腱付着部障害が多く、鍼灸治療で大転子直上を触診する際の基礎となる。大殿筋は坐位時の褥瘡好発部でもある。
比較表
筋名 起始 停止
僧帽筋 外後頭隆起・項靱帯・C7〜T12棘突起 鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘
腰方形筋 腸骨稜 第12肋骨・第1〜4腰椎肋骨突起
上腕三頭筋 関節下結節(長頭)・上腕骨後面(内外側頭) 尺骨肘頭
大殿筋 腸骨・仙骨・尾骨後面・仙結節靱帯 大腿骨殿筋粗面・腸脛靱帯
中殿筋・小殿筋 腸骨外面 大転子
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題18|筋とその起始または停止との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題18|筋とその起始または停止との組合せで誤っているのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手