学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0870

理由で解く 解剖学

Q0870 運動器系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題19
問題
肩関節の内転に関与しない筋はどれか。
選択肢
1 大胸筋
2 上腕筋
3 広背筋
4 大円筋
解答
正解2(上腕筋)
解説
✗ 1.
大胸筋
✗ 正しい。 大胸筋は胸骨・鎖骨内側1/2・第1〜6肋軟骨および腹直筋鞘から起こり上腕骨大結節稜に停止する扇状筋で、肩関節の屈曲・内転・内旋に働く代表的な内転筋である。
✓ 2. 誤り
上腕筋
上腕筋は上腕骨前面下半から起こり尺骨粗面に停止する筋で、作用は肘関節の屈曲のみである。上腕骨から尺骨へ走行するため肩関節を跨がず、肩関節運動には関与しない。したがって「肩関節の内転に関与しない筋」として本問の正答となる。肩関節を跨ぐ筋か否かで関節運動への関与を判別する思考が重要で、単関節筋である上腕筋は肘関節専属の屈筋と覚えておく。
✗ 3.
広背筋
✗ 正しい。 広背筋は第7胸椎以下の棘突起・胸腰筋膜・腸骨稜・下位肋骨・肩甲骨下角から起こり、上腕骨小結節稜に停止する三角形の板状筋で、肩関節の内転・内旋・伸展に働き、クロール泳や懸垂時の主力筋となる。
✗ 4.
大円筋
✗ 正しい。 大円筋は肩甲骨下角から起こり上腕骨小結節稜に停止する筋で、広背筋と並行して作用し肩関節の内転・内旋・伸展を行う。「広背筋の小さな助け手(little helper)」と呼ばれる。
ポイント
  • 上腕筋は上腕骨前面→尺骨粗面の単関節筋で、肘関節屈曲のみに作用し、肩関節には関与しない。
  • 覚え方のコツ: 肩関節内転筋は「大胸・広背・大円」の3筋+烏口腕筋・肩甲下筋。「大胸・広背・大円」は全て上腕骨近位部へ停止し、「内転トリオ」として暗記。
  • 関連知識: 肩関節内転の主力は大胸筋・広背筋・大円筋、内旋の主力は肩甲下筋・大胸筋・広背筋・大円筋、外転の主力は三角筋・棘上筋、外旋は棘下筋・小円筋。
  • よくある間違い: 上腕筋と上腕二頭筋を混同する(上腕二頭筋は肩関節を跨ぐので屈曲・内転に関与)。上腕三頭筋長頭も肩関節を跨ぎ伸展に関与することにも注意。
  • 臨床応用: 肩関節周囲炎(五十肩)では内転・内旋制限時に大胸筋・広背筋・大円筋の触診と圧痛確認が重要。広背筋麻痺(胸背神経損傷)では咳嗽力低下や腕振り不能が生じる。
比較表
筋名 起始 停止 肩関節作用
大胸筋 鎖骨内側・胸骨・肋軟骨 上腕骨大結節稜 屈曲・内転・内旋
広背筋 下位胸椎・腰椎棘突起・腸骨稜 上腕骨小結節稜 内転・内旋・伸展
大円筋 肩甲骨下角 上腕骨小結節稜 内転・内旋・伸展
上腕筋 上腕骨前面下半 尺骨粗面 関与なし(肘屈曲のみ)
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題19|肩関節の内転に関与しない筋はどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題19|肩関節の内転に関与しない筋はどれか。
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