学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ E. 上肢の骨格 / Q0810

理由で解く 解剖学

Q0810 運動器系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題18
問題
手根骨のうち遠位列にあるのはどれか。
選択肢
1 月状骨
2 豆状骨
3 有鈎骨
4 三角骨
解答
正解3(有鈎骨)
解説
✗ 1. 誤り
月状骨
月状骨は近位列の中央に位置する半月状の骨で、橈骨下端と直接関節する。舟状骨と三角骨に挟まれ、橈骨手根関節の中心をなす近位列の骨である。
✗ 2. 誤り
豆状骨
豆状骨は近位列の尺側端にある最も小さい手根骨で、尺側手根屈筋腱中の種子骨として発生する。三角骨の掌側面にのみ接し、他の手根骨とは発生も関節も異なる特異な存在で、近位列に分類される。
✓ 3. 正しい
有鈎骨
有鉤骨は手根骨遠位列の尺側端に位置する。掌側面から鉤状に隆起する「有鉤骨鉤」が突出し、これに屈筋支帯の尺側端が付着する。遠位列は橈側から大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鉤骨の4個で構成され、有鉤骨は第4・第5中手骨と手根中手関節(CM関節)を形成する。有鉤骨鉤は尺骨神経(ギヨン管内の深枝)が近接するため、この部位の骨折で尺骨神経麻痺を合併しやすい。
✗ 4. 誤り
三角骨
三角骨は近位列の尺側(月状骨と豆状骨の間)に位置する三角形の骨。橈骨手根関節では関節円板を介して尺骨に対面し、掌側面で豆状骨と関節する。近位列に属する。
ポイント
  • 有鉤骨は遠位列尺側端の骨。掌側に「有鉤骨鉤」を持ち、尺側手根隆起の一部として屈筋支帯が付着する。
  • 覚え方のコツ: 近位列「舟月三豆」、遠位列「大小有鉤」。有鉤骨は「鉤がある」から遠位の尺側端と位置特定。豆状骨は近位列の例外的存在(種子骨)と区別。
  • 関連知識: 屈筋支帯は橈側の舟状骨結節・大菱形骨と、尺側の豆状骨・有鉤骨鉤の4点に付着し、手根中央部のくぼみとともに手根管を形成する。手根管には正中神経と9本の屈筋腱が通る。
  • よくある間違い: 豆状骨を遠位列と誤答(小ささから遠位と錯覚)/有鉤骨と有頭骨の位置を取り違える(有頭は中央、有鉤は尺側)/三角骨を遠位列と混同。
  • 臨床応用: 有鉤骨鉤骨折はゴルフやテニスのグリップ外傷で生じ、尺骨神経深枝麻痺による小指球筋力低下・骨間筋萎縮を来す。ギヨン管症候群の鑑別でも有鉤骨鉤の圧痛が重要である。
比較表
位置 近位列(橈側→尺側) 遠位列(橈側→尺側)
橈側 舟状骨 大菱形骨
中央橈 月状骨 小菱形骨
中央尺 三角骨 有頭骨(最大)
尺側 豆状骨(種子骨) 有鉤骨(有鉤骨鉤)
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題18|手根骨のうち遠位列にあるのはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題18|手根骨のうち遠位列にあるのはどれか。
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