学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0782

理由で解く 解剖学

Q0782 運動器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題18
問題
横突孔を有する椎骨はどれか。
選択肢
1 頸椎
2 胸椎
3 腰椎
4 仙椎
解答
正解1(頸椎)
解説
✓ 1. 正しい
頸椎
頸椎では発生上退化した肋骨が横突起に取り込まれ、前半部(肋骨成分)と後半部(本来の横突起)の間に横突孔が残る。C1〜C6の横突孔には上行して脳底動脈に合流する椎骨動脈が、さらに椎骨静脈が通過する。横突起先端には脊髄神経溝の前後に前結節・後結節が突出し、C6の前結節は頸動脈結節と呼ばれる。
✗ 2. 誤り
胸椎
胸椎では肋骨が独立して発達し椎体および横突起と関節する(肋骨頭関節・肋横突関節)ため、横突孔は形成されない。横突起は肋骨結節と関節する横突肋骨窩をもつことが胸椎の特徴である。
✗ 3. 誤り
腰椎
腰椎では肋骨が退化して横突起に癒合するため、本来の横突起は基部に小さく副突起として残る。肋骨相当部は肋骨突起として側方に大きく突出するが、頸椎のような横突孔は形成されない。
✗ 4. 誤り
仙椎
仙椎は成人で5個が癒合して1個の仙骨となり、肋骨に相当する部分は外側部(耳状面を含む部分)に癒合する。横突孔のような動脈通過孔は存在せず、代わりに4対の前仙骨孔・後仙骨孔が仙骨神経の前枝と後枝を通す。
ポイント
  • 横突孔は頸椎に特有の構造で、C1〜C6の横突孔に椎骨動脈が通過する。C7の横突孔は細く、椎骨動脈ではなく椎骨静脈のみが通るのが一般的である。
  • 覚え方のコツ: 頸椎の「横突孔」は「頚=首の中で動脈を守る筒」とイメージし、頸椎だけに存在と覚える。椎骨動脈は「C6から入ってC1で頭蓋内へ抜ける」。
  • 関連知識: 椎骨動脈は鎖骨下動脈から分岐し、C6横突孔から入って上行し、C1横突孔を出た後、環椎後弓上の椎骨動脈溝を通って大後頭孔から頭蓋内に入り、左右合流して脳底動脈となる。
  • よくある間違い: 胸椎の肋骨窩・横突肋骨窩と混同しやすい。これらは肋骨を関節させる凹面であり「孔」ではない。また腰椎の椎体は大きいが横突孔はなく、肋骨突起が横方向に突出する点を区別する。
  • 臨床応用: 頸椎症性脊髄症・頸椎症性神経根症では横突孔周囲の骨棘により椎骨動脈が圧迫され、めまい・失神・後頸部痛が生じうる(椎骨脳底動脈循環不全)。頸椎急激な回旋操作は椎骨動脈解離のリスクとなる。
比較表
椎骨 横突起の特徴 肋骨との関係 通過する構造
頸椎 横突孔あり 肋骨成分が横突起前半に融合 椎骨動脈(C1-6)・椎骨静脈
胸椎 横突肋骨窩あり 肋骨と独立に関節 肋骨頭関節・肋横突関節
腰椎 肋骨突起+副突起 肋骨が癒合して突起化 通過構造なし
仙椎 外側部に癒合 肋骨片が耳状面形成 前・後仙骨孔(4対)
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題18|横突孔を有する椎骨はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題18|横突孔を有する椎骨はどれか。
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