学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ F. 下肢の骨格 / Q0823

理由で解く 解剖学

Q0823 運動器系

出典:あマ指 第6回(1998) 問題19
問題
寛骨を構成しない骨はどれか。
選択肢
1 腸骨
2 恥骨
3 坐骨
4 仙骨
解答
正解4(仙骨)
解説
✗ 1. 誤り
腸骨
腸骨は寛骨を構成する。寛骨は思春期までは腸骨・坐骨・恥骨の3骨がY字軟骨で連結され、成人で癒合する。腸骨は最も上方に広がる扁平な部分で、寛骨臼の上約2/5を占め、腸骨稜・上前腸骨棘・上後腸骨棘などの体表指標を持つ。
✗ 2. 誤り
恥骨
恥骨は寛骨を構成する。寛骨の前下部をなす“くの字型”の骨で、坐骨とともに閉鎖孔を囲み、左右の恥骨は前方正中で恥骨結合(線維軟骨性結合)によって連結する。恥骨体・恥骨上枝・恥骨下枝に区分され、寛骨臼の前下約1/5を占める。
✗ 3. 誤り
坐骨
坐骨は寛骨を構成する。寛骨の後下部をなす“L字型”の骨で、L字の角にあたる坐骨結節は座位時に体重がかかり仙結節靱帯の付着部となる。寛骨臼の後下約2/5を占め、坐骨棘の上下に大坐骨切痕・小坐骨切痕が続く。
✓ 4. 正しい
仙骨
仙骨は寛骨の構成骨ではない。仙骨は脊柱の一部(5個の仙椎が癒合)で、後方から寛骨の耳状面と仙腸関節を介して結合し骨盤全体を形成するにすぎない。骨盤=寛骨(左右)+仙骨+尾骨だが、寛骨そのものの構成骨は腸骨・坐骨・恥骨の3つに限られる。「骨盤」と「寛骨」の構成骨を混同させる典型的なひっかけであり、寛骨の3骨を即答できるよう整理しておく。
ポイント
  • 寛骨=腸骨・坐骨・恥骨の3骨で構成。思春期までY字軟骨で連結され、3骨は寛骨臼中央で会合する。骨盤は寛骨(左右)+仙骨+尾骨で、仙骨は骨盤を構成するが寛骨そのものは構成しない。
  • 覚え方のコツ: 「腸・坐・恥の3きょうだいで寛骨を形成」と暗記。寛骨臼を見ると上方から時計回りに腸骨→坐骨→恥骨の配置。仙骨は“後ろから合流”で構成外と対比。
  • 関連知識: 寛骨臼には腸骨が上2/5、坐骨が後下2/5、恥骨が前下1/5ずつ寄与する。仙腸関節は寛骨の耳状面と仙骨の耳状面からなる半関節で、周囲の強靱な靱帯でほとんど動かない。
  • よくある間違い: 「骨盤=寛骨・仙骨・尾骨」と「寛骨=腸骨・坐骨・恥骨」を混同し仙骨を寛骨の構成骨と誤答/尾骨を挙げてしまう/Y字軟骨の存在を忘れ「生まれつき1個の骨」と誤認する。
  • 臨床応用: 小児の寛骨臼部骨折はY字軟骨を損傷し、残存成長障害から寛骨臼形成不全→変形性股関節症のリスクとなる。仙腸関節障害は腰殿部痛・下肢放散痛の原因として徒手療法・鍼灸施術で重要な評価部位である。
比較表
寛骨臼での位置 主な構造・特徴
腸骨 上約2/5 腸骨稜・上前腸骨棘・上後腸骨棘・耳状面・腸骨窩
坐骨 後下約2/5 坐骨結節・坐骨棘・大坐骨切痕・小坐骨切痕
恥骨 前下約1/5 恥骨体・恥骨結節・恥骨上下枝・恥骨結合面
仙骨 寛骨の構成外 仙腸関節を介して寛骨と連結(骨盤全体の構成)
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題19|寛骨を構成しない骨はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題19|寛骨を構成しない骨はどれか。
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