学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0738

理由で解く 解剖学

Q0738 感覚器系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題26
問題
内耳の前庭でみられるのはどれか。
選択肢
1 ラセン器
2 蝸牛管
3 平衡斑
4 膨大部稜
解答
正解3(平衡斑)
解説
✗ 1. 誤り
ラセン器
ラセン器(コルチ器)は蝸牛管(中2階=膜迷路)の基底板上にあり、聴覚を担う。前庭ではなく蝸牛にある聴覚受容器である。
✗ 2. 誤り
蝸牛管
蝸牛管は蝸牛内の膜迷路(中2階)で、内リンパで満たされコルチ器をもつ。前庭ではなく蝸牛内に存在し、聴覚装置の本体である。
✓ 3. 正しい
平衡斑
前庭には膜迷路の卵形嚢と球形嚢の2袋があり、両袋の内面の平衡斑が直線加速度・重力・頭部傾きを感受する。平衡斑の有毛細胞の感覚毛上には炭酸カルシウムの結晶(耳石・平衡砂)を含むゼリー状の平衡砂膜があり、頭部の傾きや加速度で耳石が慣性により移動すると感覚毛が屈曲し機械刺激が電気信号に変換される。卵形嚢平衡斑は水平面に位置し主に水平加速度を、球形嚢平衡斑は矢状面に位置し主に垂直加速度(重力)を感受する。情報は前庭神経を介して延髄・橋移行部の前庭神経核へ伝えられる。本選択肢が前庭にみられる構造として正解。
✗ 4. 誤り
膨大部稜
膨大部稜は半規管の各膨大部内にある有毛感覚細胞の高まりで、回転加速度を感受する。半規管にあって前庭にはない別構造である。
ポイント
  • 前庭の中身は卵形嚢・球形嚢で、両袋の内面に平衡斑(耳石器)があり直線加速度を感受する。
  • 覚え方のコツ: 「前庭は2袋(卵形・球形)」「中身は平衡斑」「半規管は3管・膨大部稜」「蝸牛は1管・コルチ器」と数で覚える。
  • 関連知識: 平衡斑は2層構造:感覚毛+耳石(炭酸カルシウム)+ゼリー状膜(平衡砂膜)。耳石の比重で慣性が増幅され微小加速度も検出可能となる。
  • よくある間違い: 「前庭にコルチ器」「前庭に膨大部稜」と誤認しやすい。前庭固有の構造は「平衡斑」のみであることを刷り込む。
  • 臨床応用: 耳石が剥離して半規管に迷入するとBPPVを起こす。後半規管型が最多で、加齢や頭部外傷、長期臥床で発症リスクが高まる。
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題26|内耳の前庭でみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題26|内耳の前庭でみられるのはどれか。
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