学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0672

理由で解く 解剖学

Q0672 神経系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題25
問題
脛骨神経について正しいのはどれか。
選択肢
1 腰神経叢の枝である。
2 梨状筋上孔を通る。
3 大腿二頭筋短頭を支配する。
4 膝窩中央を通る。
解答
正解4(膝窩中央を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
腰神経叢の枝である。
脛骨神経は坐骨神経の内側終枝であり、坐骨神経は仙骨神経叢(L4〜S3)から起始する。腰神経叢由来ではない。腰神経叢の枝は大腿神経・閉鎖神経などで下肢前面・内側を支配する。
✗ 2. 誤り
梨状筋上孔を通る。
坐骨神経(=脛骨神経+総腓骨神経)は梨状筋「下孔」を通って骨盤腔を出る。梨状筋上孔を通るのは上殿神経と上殿動静脈、梨状筋下孔を通るのは坐骨神経・下殿神経・後大腿皮神経・陰部神経(再度小坐骨孔へ)である。
✗ 3. 誤り
大腿二頭筋短頭を支配する。
大腿二頭筋の長頭は脛骨神経、短頭は総腓骨神経が支配する。同一筋で2頭の神経支配が異なる珍しい例で、国試頻出。半腱様筋・半膜様筋・大内転筋の坐骨神経由来部分は脛骨神経支配である。
✓ 4. 正しい
膝窩中央を通る。
脛骨神経は大腿後面中央を下行し、膝窩の中央を膝窩動静脈とともに垂直に通過する。膝窩の血管神経束は浅部から深部へ「脛骨神経→膝窩静脈→膝窩動脈」の順で並ぶ。下腿では下腿三頭筋を貫いて足底屈を担い、内果後方で分かれて足底神経となる。
ポイント
  • 脛骨神経は坐骨神経の内側終枝で、膝窩中央を垂直に通過し下腿後面〜足底を支配する。
  • 覚え方のコツ: 坐骨神経は膝窩上方で「内の脛骨・外の総腓骨」に分かれる。足底屈=脛骨、足背屈=腓骨とセットで暗記。
  • 関連知識: 脛骨神経は内果後方の足根管を通って足底に入り、内側足底神経・外側足底神経に分かれる。圧迫で足根管症候群を生じる。
  • よくある間違い: 大腿二頭筋は全体が脛骨神経支配と誤認。短頭は総腓骨神経支配。梨状筋上孔/下孔の通過神経を取り違える。
  • 臨床応用: 脛骨神経麻痺では足底屈不能(つま先立ち不能)、足底の感覚低下、内反足傾向を呈する。足根管症候群では足底内側の疼痛・しびれが出現。
比較表
項目 脛骨神経 総腓骨神経
由来 坐骨神経(L4〜S3)内側終枝 坐骨神経(L4〜S2)外側終枝
走行の特徴 膝窩中央→下腿後面→内果後方→足底 膝窩外側→腓骨頭→下腿外側
主な支配筋 下腿三頭筋・後脛骨筋・足指屈筋・足底筋 前脛骨筋・長腓骨筋・足指伸筋
麻痺の特徴 足底屈不能・足底感覚障害 下垂足(Foot drop)・第1-2趾間感覚低下
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題25|脛骨神経について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題25|脛骨神経について正しいのはどれか。
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