学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0737

理由で解く 解剖学

Q0737 感覚器系

出典:あマ指 第25回(2017) 問題26
問題
内耳について正しいのはどれか。
選択肢
1 鼓室にある。
2 前庭窓にキヌタ骨がはまる。
3 半規管に蝸牛神経がつながる。
4 膜迷路の内部は内リンパで満たされる。
解答
正解4(膜迷路の内部は内リンパで満たされる。)
解説
✗ 1. 誤り
鼓室にある。
内耳は鼓室にあるのではなく、側頭骨錐体内に位置する。鼓室は中耳の空気腔であり、内耳とは前庭窓・蝸牛窓の膜で隔てられた別の解剖学的区画である。
✗ 2. 誤り
前庭窓にキヌタ骨がはまる。
前庭窓にはまるのは「アブミ骨」の底(フットプレート)であって、キヌタ骨ではない。耳小骨連鎖の最終段(鼓膜→ツチ→キヌタ→アブミ→前庭窓)を確実に把握する必要がある。
✗ 3. 誤り
半規管に蝸牛神経がつながる。
半規管につながるのは「前庭神経」(平衡覚)であって、蝸牛神経ではない。蝸牛神経は蝸牛のコルチ器に分布する聴覚伝達神経であり、平衡覚器の半規管とは別系統。
✓ 4. 正しい
膜迷路の内部は内リンパで満たされる。
膜迷路(卵形嚢・球形嚢・膜半規管・蝸牛管)の内部は「内リンパ」で満たされる。一方、骨迷路と膜迷路の間(外側)は「外リンパ」が満たす。内リンパは高K⁺・低Na⁺のイオン組成(細胞内液様)で、有毛細胞の頂端の感覚毛が浸かる特殊な液性環境を提供する。これに対し外リンパは低K⁺・高Na⁺(細胞外液様)。両者の間にはライスネル膜・基底板による電位差(蝸牛内電位+80〜+100mV、内リンパ電位)が形成され、これが有毛細胞の機械感受性チャネルを介した受容器電位発生の駆動力となる。「膜迷路=内リンパ/骨迷路と膜迷路の間=外リンパ」は内耳の基本構造であり、本選択肢が正解。
ポイント
  • 膜迷路の内部は「内リンパ」(細胞内液様:高K⁺)、骨迷路と膜迷路の間は「外リンパ」(細胞外液様:高Na⁺)で満たされる。両者のイオン組成差が聴覚・平衡覚成立の鍵。
  • 覚え方のコツ: 「膜の中=内リンパ/膜の外=外リンパ」と位置で記憶。「内=高K(細胞内液っぽい)/外=高Na(細胞外液っぽい)」とイオン組成も対比。
  • 関連知識: 膜迷路は内リンパ管→内リンパ嚢に通じ、内リンパは血管条で産生され吸収される。内リンパ過剰によりメニエール病の内リンパ水腫が生じる。
  • よくある間違い: 「内リンパ=外リンパ」の取り違えが頻発。「膜迷路は袋=中身は内リンパ」と「袋を浮かべる海は外リンパ」というイメージで覚える。
  • 臨床応用: メニエール病は内リンパ水腫により蝸牛・前庭の機能障害を起こし、難聴・耳鳴・回転性めまいの3徴を反復。利尿薬(イソソルビド等)で内リンパ量調整を試みる。
比較表
区分 含まれる構造 内部の液 イオン組成
骨迷路 前庭・骨半規管・蝸牛 外リンパ 高Na⁺・低K⁺
膜迷路 卵形嚢・球形嚢・膜半規管・蝸牛管 内リンパ 高K⁺・低Na⁺
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題26|内耳について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題26|内耳について正しいのはどれか。
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