学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0723

理由で解く 解剖学

Q0723 感覚器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題30
問題
感覚受容器と感覚との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 膨大部稜 ― 触覚
2 コルチ器 ― 聴覚
3 マイスナー小体 ― 嗅覚
4 自由神経終末 ― 平衡覚
解答
正解2(コルチ器 ― 聴覚)
解説
✗ 1. 誤り
膨大部稜 ― 触覚
膨大部稜は半規管膨大部にある有毛細胞の高まりで、頭部の回転加速度(角加速度)を感受する平衡覚器であり、触覚ではない。触覚にはマイスナー小体・メルケル盤などが関与する。
✓ 2. 正しい
コルチ器 ― 聴覚
コルチ器(ラセン器)は蝸牛管の基底板上にある聴覚受容器で、内有毛細胞と外有毛細胞の感覚毛が蓋膜で屈曲することにより音波を電気信号に変換する。蝸牛神経を介して中枢に聴覚情報を伝え、最終的に大脳皮質一次聴覚野(上側頭回)に到達して音として認識される。コルチ器以外で聴覚を担う構造はなく、これが聴覚の唯一の感覚受容装置である。蝸牛=聴、前庭・半規管=平衡という対比とともに、「コルチ器=聴覚」という対応は感覚器解剖の基本中の基本であり、本選択肢が正解となる。
✗ 3. 誤り
マイスナー小体 ― 嗅覚
マイスナー小体は手掌・足底の真皮乳頭にある触覚(軽い触圧覚・低周波振動)の受容器で、嗅覚とは無関係である。嗅覚を担うのは鼻腔の嗅上皮にある嗅細胞(双極神経細胞)。
✗ 4. 誤り
自由神経終末 ― 平衡覚
自由神経終末は痛覚・温度覚・粗大触覚を担う受容器で、皮膚の表皮や粘膜に広く分布する。平衡覚は内耳の平衡斑・膨大部稜の有毛細胞が担うのであって、自由神経終末は無関係である。
ポイント
  • コルチ器(ラセン器)は蝸牛管の聴覚受容器で、有毛細胞が音波を電気信号に変換し蝸牛神経に伝える。
  • 覚え方のコツ: 「コルチ=聴/膨大部稜=回転/平衡斑=直線/マイスナー=触/自由神経終末=痛温」と感覚と受容器を1対1で語呂連結。
  • 関連知識: 皮膚の機械受容器:マイスナー小体(軽触圧)・パチニ小体(深部圧・振動)・メルケル盤(持続触圧)・ルフィニ小体(伸展)と「速順応」「遅順応」で対比して整理する。
  • よくある間違い: 膨大部稜と平衡斑をどちらも「平衡覚」とまとめがちだが、回転加速度=膨大部稜、直線加速度=平衡斑と区別が必要。マイスナー=嗅覚は明らかな誤組合せ。
  • 臨床応用: 糖尿病性末梢神経障害では小径線維(自由神経終末=痛温)が早期に障害され、温痛覚低下→無自覚性熱傷の原因となる。後根神経節障害では機械受容器(触振動)が低下する。
比較表
受容器 感覚 部位
コルチ器 聴覚 蝸牛管
平衡斑 直線加速度・重力 卵形嚢・球形嚢
膨大部稜 回転加速度 半規管膨大部
マイスナー小体 軽触圧 真皮乳頭(指腹・口唇)
自由神経終末 痛覚・温度覚 皮膚・粘膜
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題30|感覚受容器と感覚との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題30|感覚受容器と感覚との組合せで正しいのはどれか。
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