学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0716

理由で解く 解剖学

Q0716 感覚器系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題36
問題
内耳に属するのはどれか。
選択肢
1 鼓膜
2 蝸牛
3 耳小骨
4 耳管
解答
正解2(蝸牛)
解説
✗ 1. 誤り
鼓膜
鼓膜は外耳と中耳の境界をなす楕円形の薄い線維膜(長径約10mm・厚さ0.1mm)で、外耳道の最深部に位置する。中耳側の鼓室にある耳小骨(ツチ骨)が鼓膜内面に付着するが、鼓膜自体は内耳の構成要素ではない。
✓ 2. 正しい
蝸牛
蝸牛は側頭骨錐体内の骨迷路の一部で、内耳に属する。蝸牛軸を螺旋管が2巻き半取り巻いた形をしており、横断面は前庭階・蝸牛管・鼓室階の3階構造となる。蝸牛管底部の基底板上にラセン器(コルチ器)が並び、有毛細胞が外リンパおよび内リンパの振動を電気信号に変換して聴覚を成立させる。蝸牛神経はラセン神経節を経てラセン器に分布する。前庭・半規管とともに骨迷路の3部を構成し、内リンパ・外リンパで満たされる点で空気を含む中耳とは決定的に異なる。
✗ 3. 誤り
耳小骨
耳小骨はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3個からなり、いずれも中耳の鼓室内に存在する。鼓膜の振動を関節連結によりアブミ骨底へ伝え、前庭窓を介して内耳の外リンパへと中継する役割を担う。
✗ 4. 誤り
耳管
耳管は鼓室と咽頭鼻部(耳管咽頭口)を結ぶ約35mmの管で、中耳の構成要素である。嚥下時に一時的に開いて鼓室内圧を外気圧と等圧に保ち、鼓膜の振動を最適化する。内耳には属さない。
ポイント
  • 内耳は側頭骨錐体内にあり、骨迷路(前庭・骨半規管・蝸牛)と膜迷路からなる。蝸牛が聴覚、前庭・半規管が平衡覚を司る。
  • 覚え方のコツ: 「外耳=耳介+外耳道+鼓膜」「中耳=鼓室+耳管+耳小骨3個」「内耳=前庭+半規管+蝸牛」を3点ずつセットで暗記。鼓膜は外耳と中耳の境界、前庭窓は中耳と内耳の境界。
  • 関連知識: 骨迷路と膜迷路の間は外リンパ、膜迷路の内部は内リンパで満たされる。蝸牛神経+前庭神経が合流して内耳神経(VIII)となり、内耳道を通って延髄・橋移行部に入る。
  • よくある間違い: 鼓膜・耳小骨・耳管はいずれも音波の伝導に関わるため内耳と勘違いされやすいが、すべて中耳または外耳の範疇である。内耳は液体(リンパ)で満たされた感覚装置という点を区別の鍵にする。
  • 臨床応用: 蝸牛障害(突発性難聴・騒音性難聴・薬剤性内耳障害など)は感音性難聴を、前庭障害(メニエール病・前庭神経炎・BPPV)はめまいを生じる。両者は内耳神経を共有するため難聴とめまいが合併しやすい。
比較表
区分 主要構造 機能
外耳 耳介・外耳道・鼓膜 集音・音波伝達
中耳 鼓室・耳小骨3個・耳管 振動の機械的増幅・気圧調整
内耳(骨迷路) 前庭・骨半規管・蝸牛 平衡覚・聴覚(感覚受容)
内耳(膜迷路) 卵形嚢・球形嚢・膜半規管・蝸牛管 内リンパで満たされる
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題36|内耳に属するのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題36|内耳に属するのはどれか。
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